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10+1 website 2017年9月号 特集「東京の〈際〉」 ---- 網と魚

10+1 website 201709 特集 東京の〈際〉 都市アウターリング研究事始め──際はどこにあるか?/青井哲人(明治大学准教授) 東京港・港湾倉庫の世界システム/渡邊大志(早稲田大学創造理工学部建築学科准教授) 点在する東京のマーケット──再び都市の資源に…

数年間の共同研究の成果、『明治神宮以前・以後』が刊行されました。

2009年より、藤田・青井・畔上・今泉を中心に、たくさんの方々のご参加・ご協力をいただいて進めてきた分野横断型の共同研究の成果が、鹿島出版会より刊行されました(担当は川尻大介さん)。装丁デザインは中野豪雄さん(nakano design office/本書の紹介…

都市史研究の運動性を感じた1日

一昨日(12/12)の日本建築学会都市史小委員会シンポにつづき、都市史学会大会に参加。残念ながら12/13は大学院の中間発表会だったので西川幸治先生の記念講演を拝聴できなかったのだが、14日のシンポでは各分野の研究動向の報告を聞き、ラテンアメリカ都市…

大地/地面/土地の三位相の複合としての「地」

20141212.Fri. 日本建築学会都市史小委員会シンポジウムが行われ、コメンテーターとして参加したが、とても面白かった。早起きして京都へ行った甲斐あり。 日本建築学会主催 建築歴史・意匠委員会 都市史小委員会シンポジウム 「都市と大地」シリーズ1 「都…

ミクロな実証とマクロな枠組がいよいよ立体的に結びつきつつある・・・台湾調査2014沙仔崙

2014.08.09〜08.24 台湾。学生たちとみっちり調査をしたのは8月11日〜21日で、そのうち2日はエクスカージョンだったし、初日と最終日は半日だから、まあざっと1週間の調査だったことになる。今年のターゲットは彰化県田中鎮の沙仔崙Sua-a-lun という街だ。…

とりあえず1本、おめでとさん。

俗にいう黄表紙に、下記論文が掲載されました。 石榑督和+青井哲人「闇市の形成と土地所有からみる新宿東口駅前街区の戦後復興過程」(日本建築学会計画系論文集 no.694, 2013年12月, p.2627-2635) 明治に来て、学生さんによる黄表紙の記念すべき最初の1…

10+1 web site 201312「東京オリンピック」からの問い──2020年の都市計画は可能か

昨日より10+1 website で新国立競技場問題の特集が公開されている。槇文彦さんの批判以後、活発な議論が行われているが、どうも建築界の人が建築の話をしている、という感じがあるのに対して、この特集ではもう少し冷静に共有されるべき議論の枠組みを描き出…

渋谷ヒカリエの SHIBUYA VISION 展について:建築家坂倉順三展2009のために作成した模型をお貸しした立場で若干の説明

展覧会「SHIBUYA VISION」をご覧になった方は多いと思います。展示協力というかたちで「明治大学建築史建築論(青井哲人)研究室」とかなり大きく入口のところに明記されていたかと思います。恥をしのんで申しますと、僕は先週初めて見に行きまして、この文…

計画都市・台中が、存外おもしろいのである。

2012年12月29日から2013年1月6日まで台湾に行ってきた。今回は調査でなく、講演のため。 ひとつは1月3日、東海大学にて大学院プログラムのなかのアジアの都市建築に関する授業の1コマとして(翻訳=張亭菲)。台湾の院生に台湾都市の概説は不要なので、まず…

Victor Horta, La Maison du Peuple, Bruxelles, 1896-1898

ヴィクトール・オルタ設計の「人民の家」(ブリュッセル、1896-1898)の平面図。施主は Parti Ouvrier Belge という政党で、英語にすると Belgian Socialist Party つまりベルギー社会党。オルタ、あるいはアール・ヌーヴォーといえば19世紀末のブルジョアの…

Lifting of Chicago

このサイト、よくまとまっています → the Lifting of Chicago / Raising of Chicago@wikipedia (English) たぶんよく知られた話なんだろうと思うが、19世紀半ばのシカゴでは建物のリフトアップが頻りに行われていた。1830年には人口50人の小さな交易の街に…

復興って実は新しい課題なんじゃないか。

最近読んだ本。 ・津久井進『大災害と法』(岩波新書、2012年) ・北原糸子『地震の社会史:安政大地震と民衆』(講談社学術文庫、2000)(←三一書房、1983) ・北原糸子『関東大震災の社会史』(朝日選書、朝日新聞出版、2011) ・北村優季『平安京の災害史…

19世紀パリ改造を通して都市組織論を語る --- 第5回 都市発生学研究会・松本裕先生

20120719 Thu. 研究会を盛況のうちに終えました。松本先生のお話、刺激的でした。ありがとうございました。講演をお聞きし、ディスカッションし、その後遅くまで飲んで議論しました。自分なりに考えたこと(の一部)をつらつら書き連ねてみます。 (1)都市…

先日のKDU-ED Talk Session #2 のレポートを花田先生が書いてくださいました。

トークセッション2012 第2回 青井哲人「やわらかい都市のなりたち ー 都市の時間的振る舞いの学へ ー」レポート 花田佳明 画像拝借しました。「内容より雰囲気重視」(花田先生のtweet より)(笑)のレポートということですが、いずれきっと本にしますので…

(告知)第5回都市発生学研究会・7/19・松本裕先生「近代都市再開発を通じた都市組織の重層化 19世紀パリ大改造をめぐって」

都市発生学研究会では、7月19日(木)17:00より松本裕先生 (大阪産業大)をお招きして第5回公開研究会を開催します。奮ってご参加ください。 第5回都市発生学研究会 近代都市再開発を通じた都市組織の重層化:19世紀パリ大改造をめぐって 歴史都市パリでは…

長崎、差異を生きる都市。

建築雑誌の取材のため広島と長崎に行ってきた。長崎は過去3度訪ねたことがあり、華人街、出島、社寺、グラバー園、異人館の町並み、現代建築、・・・それに平戸も佐世保もハウステンボスも見ているが、ヤミ市を引き継ぐ市場を歩いた以外では、戦争・原爆に…

東日本大震災と都市・集落の地域文脈 −その解読と継承に向けた提言−

日本建築学会 都市計画委員会傘下の地域文脈形成・計画史小委員会で、東日本大震災をめぐる「地域文脈」の解読と継承に関する提言集がまとめられた。昨日(2012.03.20)、今年度最後の委員会があって、できあがった冊子(2012.03.01-02の学会震災シンポで主…

1月16日・名古屋市立大学にて特別講義

1月8日(日)、台湾より帰国の機内で何だかノドがおかしいなと思っていたら、翌朝高熱が出て下がらず、次の日に受診したところインフルエンザ(A型)の診断。そのまま木曜の朝まで38度から39度のあいだを三日三晩彷徨うことに。結局、感染力が残るといけない…

2006年4月火災の彰化元清観、修復工事成る。

拙著『彰化一九〇六年〜市区改正が都市を動かす』(アセテート、2006)の口絵に「元清観」という廟を都市の「トラウマ」の例として紹介した。植民地末期(1940年前後)の市区改正道路の建設により南西側が薄く斜めにスライスされてしまったのである。先行す…

技術について/昨日の追補と今日のシンポのこと

昨日、「ナイーブ」の話、つまり諸条件へのリテラシーの繊細化というのは、要は諸要素間の関係性の読み書き能力の高度化であり、つまりは生態学的な視界の共有化であろうと話が展開したのだが、特集『ナイーブ・アーキテクチャー』の冒頭対談では中谷礼仁さ…

精神=都市の生態学

20111201 Thu. 13:00〜卒業設計中間講評会。普段からお世話になっている建築家の古見演良さんと光本直人さんをお呼びして、研究室の4年生6名のための贅沢きわまりないミッドターム・ジュリー。今年は学生たちもよく頑張っているが、お2人の眼力にはホントに…

マンモス

20111031 Mon. 前日のフットサルの疲れが脚に来た。非常勤で通っている武蔵野美術大は「芸祭」(正確には芸術祭だと思う)のため授業なし。夜は彰国社で本の打合せ。久しぶりに旧友に会う。 翌1101 Tue. ダメージ全身に及ぶ。筋肉が硬くなっているせいか夜は…

都市における意志と学習について・第4回都市発生学研究会

先週末9月30日(金)に第4回都市発生学研究会を開いた。震災直後から都市計画遺産研究会として「三陸海岸都市の都市計画/復興計画史アーカイブ」を立ち上げ、その後も釜石などで現場にも関わっておられる中島直人先生(慶応大)をお招きしてお話をいただき…

告知・9月30日(金)16:30〜 第4回都市発生学研究会「三陸海岸の都市・集落〜歴史的に考える災害と再生〜」於:明治大学生田キャンパス

都市発生学研究会では、中島直人先生 (慶應義塾大学)をお招きし、当方の研究室とのいわば「対論」という形式で議論を深めたいと考えています。 中島先生からはおそらく釜石市を中心に、昭和三陸津波を中心とする復興計画の歴史と、その遺産の現在的意義の…

続・ティポロジアと「機能」の問題

2日間ほどネット接続が悪く疲れもたまっていたので前のエントリは尻切れとんぼになってしまった。あらためてポンペイを観察しながら書かれた二つの文章を短く引用してみよう。 しかし、たとえこれらのさまざまな状況的コンテクストを無視しても、住宅の本来…

ティポロジアと「機能」の問題

陣内秀信『都市を読む − イタリア』のなかで、僕は「ポンペイ」の章(p.186-210)がいちばん印象的だ。この章で陣内は、「住宅を取り巻く文化的・社会的経済的・歴史的・地理的なさまざまな状況がある。たとえば前近代住宅と近代住宅、古代住宅、プリミティ…

私たちは都市という形で組織化されている;ジェイン・ジェイコブス『アメリカ大都市の死と生』

昨日は学生たちと5時間半かけてジェイン・ジェイコブス著・山形浩生訳『アメリカ大都市の死と生』(鹿島出版会、2010)(”The Death and Life of Great American Cities”, 1961)を読むという贅沢な時間を持った。このところ胃が痛くなるようなことが多いが…

山口弥一郎の三陸集落調査についてまとめました。

ウェブサイト「三陸海岸の集落 災害と再生:1896, 1933, 1960」に、「山口弥一郎の三陸集落調査」, 「山口弥一郎の三陸集落調査関連文献」をアップしました(2011年5月6日)。 山口弥一郎への関心が集まっているようです。三陸地域の津波災害と集落移動に関…

「三陸海岸の集落 災害と再生:1896, 1933, 1960」付記

ウェブサイト三陸海岸の集落 災害と再生:1896, 1933, 1960の主旨・読み方等は、サイト中に最少限の記載をしていますが、多少の補足をさせていただきます。 当サイトは、4月11日に数名の院生有志と私とで資料収集・読込みを開始し、当初より3週間後(4月末)…

10+1websiteにて牧紀男さんとの対談が公開されました。

牧紀男×青井哲人「東日本大震災を考える[2]:移動と定着のメカニズム──災害の歴史から学ぶこと」