taiwan

『自分にあわせてまちを変えてみる力』が刊行されましたね。

こういう本が出ています。 饗庭伸・秋田典子・内田奈芳美・後藤智香子・薬袋奈美子 編著『自分にあわせてまちを変えてみる力 ― 韓国・台湾のまちづくり』(萌文社、2016.03) 目次はこちらを参照。 日本の「まちづくり」、韓国の「マウル・マンドゥルギ」、台…

辻原先生のブログより:台湾調査をご一緒したことなど

そうそう、熊本県立大学の辻原先生のブログに8月の台湾調査のことが書かれています。当方の研究室とご一緒した日のこと。 2015.08.18 青井研究室の皆さんの調査に合流させて頂きました_午前版 2015.08.18 青井研究室の皆さんの調査に合流させて頂きました_午…

2015年度夏の台湾調査〜沿海キャラバン+渓州集中調査

情けないことに多忙でブログが書けない・・・のですが、踏ん切りをつけてとりあえず台湾の報告を。 まず、今年から新たに下記の科研費で研究プロジェクトを動かしていくことになりました。科学研究費 基盤研究(B)「台湾都市史の再構築のための基盤的研究:都…

ミクロな実証とマクロな枠組がいよいよ立体的に結びつきつつある・・・台湾調査2014沙仔崙

2014.08.09〜08.24 台湾。学生たちとみっちり調査をしたのは8月11日〜21日で、そのうち2日はエクスカージョンだったし、初日と最終日は半日だから、まあざっと1週間の調査だったことになる。今年のターゲットは彰化県田中鎮の沙仔崙Sua-a-lun という街だ。…

備忘録:台湾の太陽花学運(ひまわり学生運動)(立法院占拠)について

3月末から4月初にかけて台湾におり(当ブログのひとつ前のエントリ参照)、帰国前日の4月5日の夜、台北の立法院周辺を歩いて参りましたが、立法院(国会議事堂)の学生らによる占拠とその周囲で展開された連日の運動には多くのことを学ばせてもらった。運動…

ゆえあって、こんなことをして参りました。

行程データ: 台北→大園→後龍→西螺→台南→枋寮→台東→瑞穂→礁渓→台北 (花蓮→蘇澳:鉄道) 9日間(03.28-04.05) 896Km 標高0〜546m(図中のグラフは高度の推移を示す) 台湾の地形を学びました。

青井哲人著・張亭菲訳(中国語)『彰化一九〇六年:一座城市被烙傷,而後自體再生的故事』ようやく手もとに届く。

彰化 一九〇六年:一座城市被烙傷,而後自體再生的故事青井哲人著・張亭菲訳中国語大家出版(台北)2013年10月 自分の怠惰のためにずいぶん長い時間をかけてしまったのだが、『彰化一九〇六年:市区改正が都市を動かす』(アセテート、2006)を大幅に増補し…

台湾調査2013夏 記録[後半]

台湾調査の後半は、8月16〜21日、彰化県田中鎮の中心部(旧田中街)を10名で調査した。この街は1898-99年にかけて甚大な水害(2度)と火災(1度)に遭い、1900年以降に新街を建設した、という経緯があり、街の特徴は以下のとおり。(1) 廟を北に置き、南へ大…

台湾調査2013夏 記録[前半]その2 動画+写真編

まずは大丘園という山間の村での竹造三合院の調査風景(表示に少々時間がかかるかもしれません)。 実測は、D3陳頴禎さんの指導の下、B4の3名が行った(3名とも初めての経験でしたが、わりと最初から上手でした)。あとは前半調査で出会った人々や風景など適…

台湾調査2013夏 記録[前半]

[前半調査]竹造家屋の分布と成立背景をめぐる領域論的調査。台湾は九州ほどの島で、やや東に寄った位置に南北に連なる中央山脈があり、東はそこから一気に太平洋の海溝まで落ちるのであまり平地がないのだが、西には台湾海峡に向かって平野が広がって穀倉…

計画都市・台中が、存外おもしろいのである。

2012年12月29日から2013年1月6日まで台湾に行ってきた。今回は調査でなく、講演のため。 ひとつは1月3日、東海大学にて大学院プログラムのなかのアジアの都市建築に関する授業の1コマとして(翻訳=張亭菲)。台湾の院生に台湾都市の概説は不要なので、まず…

八重山の台湾人

八重山に行ってきた。神戸芸工大で助手をしていた頃の院生で石垣出身のNさんに連絡をとったところこれ以上ない人物を紹介してくれた。八重山毎日新聞記者にして『八重山の台湾人』、『台湾疎開―「琉球難民」の1年11カ月』の著者である松田良孝さん。これら2…

台湾調査2012夏・第3クール(2012年8月25〜26日)は台北市南機場

今年夏の台湾調査、最後は台北市の南機場住宅を、白佐立さんにご案内いただいて巡った。たった二日間だったがとても効率よく多くの人々のお話を伺い、たくさんの住宅を見せていたくことができた(室内の写真は掲載を控える)。協力いただいた南機場の皆さん…

台湾調査・某先生が送ってくださった写真

台湾調査2012夏・第2クール(2012年8月15〜22日)は彰化県北斗。

研究室としては2010年度にはじめた台湾町屋調査も今年度で3年目(2010台南、2011吉貝、2012北斗)。昨年度からは法政大学高村雅彦先生の科研費のメンバーに加えていただき、そのなかで私たちの町屋研究を実施している。今年のフィールド北斗は(私が台湾各…

台湾調査2012夏・第1クール(2012年8月6〜13日)終了

今年は台湾漢人の寝床の変容に迫る研究(科研費)の最終年度。今回は花蓮・台東・屏東を巡る。とくに花蓮・台東は台湾では最も開拓の遅い地域で、アミ族をはじめとする原住民(オーストロネシア語族系先住民)の集住地が分布していたところへ、植民地期から…

笠原政治先生をお招きして総舗研究会

20120616 Sat. 総舗研究会(台湾の寝床調査の研究グループ)の集まり。総舗 chong-pho とは台湾漢人住居の寝室に張られた揚床を指すホーロー語(台湾語)で、我々はここ数年その分布、起源、波及、持続的影響などについて追いかけてきた。角南聡一郎、陳正哲…

郭茂林氏逝去・ご冥福をお祈りします。

郭茂林氏(1920〜2012)が4月7日に90才で逝去されていました。日本植民統治下の台湾で建築を学び、東京大学(当時東京帝国大学)で助手をされ、戦後は吉武泰水と建築計画研究に携わるといった経歴をお持ちですが、とくに広く知られているのは、霞が関三井グ…

ヴァナキュラーの公定化

この写真の建物、RC(鉄筋コンクリート)ラーメン構造・・・ではない。いや、そう答えても完全な間違いとも言い切れないが、でもやっぱり違う。コンクリートの柱・梁の輪郭がもうひとつ鮮明じゃないのにお気づきだろうか。そう、煉瓦壁を一層分ずつ積み上げ…

2006年4月火災の彰化元清観、修復工事成る。

拙著『彰化一九〇六年〜市区改正が都市を動かす』(アセテート、2006)の口絵に「元清観」という廟を都市の「トラウマ」の例として紹介した。植民地末期(1940年前後)の市区改正道路の建設により南西側が薄く斜めにスライスされてしまったのである。先行す…

台湾調査後半戦は馬祖列島と台湾東部でした。

昨日(8/22)台湾より帰国し、今朝からは早稲田大学にて建築学会大会に参加しております。 今夏の台湾調査は、前半(澎湖群島・吉貝島の集落)は宿を定めて11名でひとつの集落をインテンシブに調査しましたが、後半は学生メンバーが入れ替わり、数名でキャラ…

AAR特集アジアグローバルシティ vol.2 台北

AAR (Art and Architecture Review) の特集アジアグローバルシティ 第2弾は台湾です。6月30日に藤村龍至・松島潤平のお二人によるインタビューを受けたのですが、その記事が(10月頃かと思っていたら)昨日(8/19)公開されたようです。ほかにも團紀彦氏・謝…

続・ティポロジアと「機能」の問題

2日間ほどネット接続が悪く疲れもたまっていたので前のエントリは尻切れとんぼになってしまった。あらためてポンペイを観察しながら書かれた二つの文章を短く引用してみよう。 しかし、たとえこれらのさまざまな状況的コンテクストを無視しても、住宅の本来…

ティポロジアと「機能」の問題

陣内秀信『都市を読む − イタリア』のなかで、僕は「ポンペイ」の章(p.186-210)がいちばん印象的だ。この章で陣内は、「住宅を取り巻く文化的・社会的経済的・歴史的・地理的なさまざまな状況がある。たとえば前近代住宅と近代住宅、古代住宅、プリミティ…

吉貝島(台湾澎湖縣白沙郷)で調査中です。

研究室復興・家具プロジェクトもいよいよ施工段階に/台湾入り

3.11で壊滅(といっても什器・備品・書籍などの倒壊・破壊・散乱です)した私たちの研究室(B4〜D1、約20名の居場所)の復興を新入りB4の共同プロジェクトとして4月から設計・積算・材料発注などを進めてきましたが、ようやく7月29日に材料が届き、7月31日よ…

台湾調査報告その2

8月17日 新竹市内より北埔へ。まちづくりのリーダー古武南氏に再会。さっそく老街内に住む89歳の蕭さんのお宅を紹介いただきインタビュー+実測。ホーロー語でいう総鋪は、南部の美濃では客家語で「大鋪院」と呼ばれていたが、ここでは同じ客家でも「大眠床…

Parallel-Walled City:列壁都市

台湾都市は5mピッチで並行する壁の集合体であり、人々は懸命にその空隙を埋めている。もちろん壁を上方へ積み増すことはできるが、それを含めて、建築行為とは二枚の境界面のあいだを懸命に充填することである。だから今度は壁そのものに注目し、その両側で…

台湾調査報告その1

10日までのワークショップを無事に終えて、休む間もなく11日より調査開始。今回は竹の世界をおさらいした後、ホーロー(閩南系台湾漢人)とは異なる文化を持つ客家の人々の世界を開拓したい。メンバーは兄貴(陳正哲先生)と私と妻、それに学生たち数名。 写…

デザインWS台南2010・結

8月5〜10日のスタジオ(デザイン・ワークショップ)が無事に終了しました。写真は最終講評会の様子。会場は対象地のなかにある台湾文学館・文化財保存研究中心(旧・台南州庁舎)の一室。台南市政府都市発展局の方、対象地および周辺地区の里長(町内会長)…