2013-01-01から1年間の記事一覧

SDレビュー2013刊行。後半は入選者と塚本由晴・青井哲人による丸々1日討論。

『SDレビュー2013』が刊行された。今年は入選作のページが拡充され、提案が「読める」誌面になったね。そして後半の企画は、入選者のみなさんによる非公開ゼミ。題して「SD丸々1日討論:日本現代建築における歴史認識をめぐって/SD a Day Long Debate: on …

とりあえず1本、おめでとさん。

俗にいう黄表紙に、下記論文が掲載されました。 石榑督和+青井哲人「闇市の形成と土地所有からみる新宿東口駅前街区の戦後復興過程」(日本建築学会計画系論文集 no.694, 2013年12月, p.2627-2635) 明治に来て、学生さんによる黄表紙の記念すべき最初の1…

10+1 web site 201312「東京オリンピック」からの問い──2020年の都市計画は可能か

昨日より10+1 website で新国立競技場問題の特集が公開されている。槇文彦さんの批判以後、活発な議論が行われているが、どうも建築界の人が建築の話をしている、という感じがあるのに対して、この特集ではもう少し冷静に共有されるべき議論の枠組みを描き出…

10+1 web site 201311 書評特集に寄稿しました。

10+1 website 2013年11月号 特集 ブックレビュー2013 が少し前から公開されていますが、僕も編集部からの依頼に応えてひとつ書かせていただきました。 青井哲人「群像の貴重な証言集めた労作。私たちはその声をどう聞くか──豊川斎赫『丹下健三とKENZO TANGE…

建築雑誌2013年11月号・特集「「建築家」が問われるとき:自己規定の軌跡と現在 When "Architect" Is Called into Question: Past and Present Self-Definitions」

今号担当は青井と竹内泰さん(宮城大学)だが、日埜直彦さんには、平良敬一氏へのインタビュアー、論考の執筆者というだけでなく、何度か議論の相手になっていただいたり、執筆者を紹介いただいたりと、企画段階から大変お世話になった。今号企画のあらゆる…

青井哲人著・張亭菲訳(中国語)『彰化一九〇六年:一座城市被烙傷,而後自體再生的故事』ようやく手もとに届く。

彰化 一九〇六年:一座城市被烙傷,而後自體再生的故事青井哲人著・張亭菲訳中国語大家出版(台北)2013年10月 自分の怠惰のためにずいぶん長い時間をかけてしまったのだが、『彰化一九〇六年:市区改正が都市を動かす』(アセテート、2006)を大幅に増補し…

いろいろな家々

ちょっと必要があって自分のflickrの写真を片っ端から見ていたら、いつのまにか用を忘れて家ばかり見ていた。 2010年9月18日撮影@大分県竹田市大字次倉 2010年9月15日撮影@佐賀県佐賀市松原 2010年9月11日撮影@富山県富山市小島町 2011年9月6日撮影@岩手…

2013年古建築実習:ようやく解説も落ち着いてきたので来年度はもう一枚脱皮したいと思う。

今年は門脇耕三先生、川嶋雅章先生が前・後半の引率について下さり、TAの院生も含めて49名で行ってきました。皆さんお疲れ様。 10月7日(月)生田(開始)/白川郷/輪島(宿) 10月8日(火)輪島(宿)/黒島(北前船の船主・船頭町)/金屋町(高岡の鋳物…

建築雑誌2013年10月号・特集「アフリカ・アトラス:サブサハラと日本の都市・建築 Atlas of Sub-Saharan Africa for Japanese Urbanism and Architecture」

連投ご容赦(このところブログ書けず・・・建築雑誌の報告がたまっておりまして)。10月号は、たぶん建築雑誌はじめてのアフリカ特集。担当は、中島直人(慶応義塾大)。そして、アフリカを専門とする若い研究者、志摩憲寿(東京大学)、岡崎瑠美(フランス…

建築雑誌2013年9月号・特集「建築年報2013:Anuual Report of Architecture 2013」

9月号は恒例の年報。今年は小特集として「建築会館手冊 AIJ Building Handbook」をつくった。建築会館の履歴、ファシリティ、書店、あるいは情報発信ライブラリーへの脱皮をはかる図書館、日本独自の建築アーカイブを目指す建築博物館について、ルポとインタ…

建築雑誌2013年8月号・特集「アジアン・ハウジング・ナウ:Asian Housing Now」

報告遅くなりすみません! 8月号はアジアのハウジングの現在をまとめる特集で、担当は寺川誠司(近畿大学)・初田香成(東京大学)。 前言にも書いたが、おおむね1980年代、あるいは1990年代はじめくらいまでは、何人かの著者によってアジアのハウジングの状…

日本建築学会大会@北大+研究室合宿@青森県

2013.08.29出発。8.30〜9.1 日本建築学会大会に参加。実は大学院生時代に発表して以来、PDとか協議会とかで話をすることはあったが、いわゆる学術講演は20年振りくらいにやった。2011-2012年の台湾調査の成果(澎湖県吉貝4本、彰化県北斗4本、永靖餘三館2本…

台湾調査2013夏 記録[後半]

台湾調査の後半は、8月16〜21日、彰化県田中鎮の中心部(旧田中街)を10名で調査した。この街は1898-99年にかけて甚大な水害(2度)と火災(1度)に遭い、1900年以降に新街を建設した、という経緯があり、街の特徴は以下のとおり。(1) 廟を北に置き、南へ大…

台湾調査2013夏 記録[前半]その2 動画+写真編

まずは大丘園という山間の村での竹造三合院の調査風景(表示に少々時間がかかるかもしれません)。 実測は、D3陳頴禎さんの指導の下、B4の3名が行った(3名とも初めての経験でしたが、わりと最初から上手でした)。あとは前半調査で出会った人々や風景など適…

台湾調査2013夏 記録[前半]

[前半調査]竹造家屋の分布と成立背景をめぐる領域論的調査。台湾は九州ほどの島で、やや東に寄った位置に南北に連なる中央山脈があり、東はそこから一気に太平洋の海溝まで落ちるのであまり平地がないのだが、西には台湾海峡に向かって平野が広がって穀倉…

スポリア(SPOLIA)をめぐって

皆さんはスポリアという言葉をご存知だろうか。私は京都大学人間環境学研究科の国際シンポジウム「SPOLIA 建築・都市の継承と再利用 西洋と東洋の比較を通じて」という企画を知ってはじめてこの言葉を耳にし、調べてみて興味を持ち、このシンポジウムを聞き…

谷川竜一さんのピョンヤン探訪報告と、松下迪生さんの台南研究の報告を聞く。第13回都市基盤史研究会にて。

7月後半〜8月初はもうバタバタでブログ書けませんでしたので、がんばってキャッチアップします。 さて、都市基盤史研究会って皆さんご存知ですか。京都工芸繊維大学の中川理先生を研究代表者とする科研費基盤研究(A) 「戦前期わが国の都市空間システムに関す…

深尾精一先生の特別講義を拝聴して、土台について考える

門脇耕三先生の建築構法Iという授業の最終回は御師匠の深尾精一先生による特別講義、というお知らせをいただいていたので、今日(20130718.Thu.)教室に潜り込んで(とか言って一番前の席)拝聴した。 何気ないお話のなかでたくさん気づかされたことがあった…

「近代的実践(計画・設計)」+「都市の実態」の時-空間論的な接続あるいは統合について

報告遅くなってしまったが、先週(20130711.Thu.)、第6回都市発生学研究会を開催し、福村任生さんに「戦後期イタリアにおける都市組織論の誕生:建築家サヴェリオ・ムラトーリの思想と方法論」と題する講演をいただいた。都市組織論(tessuto urbano)、テ…

建築雑誌2013年7月号・特集「建築系学会大集合/Assembling All Academic Societies around Architecture」

どうです、この表紙デザインの強烈なこと。「建築」系学会の生態系を描き出してみよう、というのが今回の特集ですが、これはある種の宇宙図、変相図、マンダラというべきか。中野豪雄さんとしてはちょっと珍しい嗜好では? 否、編集委員から提示されたデータ…

【告知】第7回都市発生学研究会 森田芳朗「「動くすまい」の制度的位置づけ:アメリカのモービルホームと日本のトレーラーハウスを中心に」2013.07.25 Thu. 17:00〜

第7回都市発生学研究会 森田芳朗 「動くすまい」の制度的位置づけ:アメリカのモービルホームと日本のトレーラーハウスを中心に 2013年7月25日(木)17:00- 明治大学生田キャンパス 第二校舎A号館 A1119 入場無料・申し込み不要 キャンパスマップはこちら 第…

【告知】第6回都市発生学研究会 福村任生「戦後期イタリアにおける都市組織論の誕生:建築家サヴェリオ・ムラトーリの思想と方法論」2013.07.11 Thu. 17:00〜

第6回都市発生学研究会 福村任生 戦後期イタリアにおける都市組織論の誕生:建築家サヴェリオ・ムラトーリ(1910-73)の思想と方法論 2013年7月11日(木)17:00- 明治大学生田キャンパス 第二校舎A号館 A1119 入場無料・申し込み不要 キャンパスマップはこちら…

熱帯雨林からサバンナに出てロジカルタイピングを身につけた我々ホモサピエンスについて。山極寿一『家族進化論』より。

研究室のサブゼミ(読書ゼミ)は課題図書を4冊指定して、4グループがそれぞれを読んで発表、ディスカッションし、さらに各グループの判断で次の読書や調査に展開してゆくというやり方をとっているのだが、家族社会学のグループが選んだ2冊目が山極寿一『家族…

第25回編集委員会(最終回)が終わりました。

2013年6月10日(月)18:00〜20:30、会誌編集委員会の最後の回でした。皆様ほんとうにお疲れさまでした。委員の皆様はもちろん、関係するあらゆる皆さんに、あらゆる面で感謝しております。これで公式には編集委員会の任期終わりです。といっても、12月号まで…

建築雑誌2013年6月号・特集「拡張する大学院:全入時代の学部と縮小する市場の間で/Expanding Graduate School: Between Today’s Easy-Access Undergraduate Schools and Shrinking Job Markets」

6月号は建築教育特集です。編集担当は、生田京子(名城大学)・樫本信隆(日建設計)・砂本文彦(広島国際大学)・田村和夫(千葉工業大学)・渡邉浩文(東北工業大学)の5名の皆さん。なかなか面白い、生き生きした特集になりましたので皆さん是非ご覧くだ…

堀口・神代展記念シンポジウムの内容が 10+1 website にて公開されています。

2013年4月28日(日)に行った堀口捨巳・神代雄一郎展記念シンポジウムの内容が活字になりました。 「建築家とは何か:堀口捨己・神代雄一郎の問い」@10+1 website 登壇:磯崎新/藤岡洋保/ケン・タダシ・オオシマ/日埜直彦/藤村龍至/天内大樹/青井哲人 …

「建築家とは何か:堀口捨己・神代雄一郎展」(2013年4月20日〜5月19日)無事終了しました。

すでにツイッター(@horiguchikojiro)でお伝えしましたとおり、5月19日(月)をもって、「建築家とは何か:堀口捨己・神代雄一郎展」(於:明治大学博物館特別展示室)が無事に終了いたしました。来場いただいた多くの方々にまず御礼申し上げます。また、こ…

旧ブログ復刻:2007年1月31日「モノが残ること、モノを残すこと・・・広島にて。」

失われた人間環境大学勤務時代(2002年4月-2008年3月)のブログ「semi@aoao」からの救出記事(2007年1月31日付)。僕にとってはけっこう印象深い出来事です、これ。関連して、『建築雑誌』2012年8月号特集「広島[ヒロシマ]・長崎[ナガサキ]」(編集担当…

建築雑誌2013年5月号・特集「建築評価の現在形:脱中心化・断片化・ローコンテクスト化する言説環境とそのゆくえ/Evaluating Architectural Designs: Prospects for a Decentralized, Segmented, and Low-Context Discourse Environment」

表記の特集が出ております。特集担当は吉村靖孝さんを中心に、曽我部昌史・末廣宣子・生田京子・竹内泰の皆さん。 特集タイトルでは「建築評価」という言葉を使いました。サブタイトル「言説環境」、前言のタイトル「建築は今どんな場所で言説化されているか…

渋谷ヒカリエの SHIBUYA VISION 展について:建築家坂倉順三展2009のために作成した模型をお貸しした立場で若干の説明

展覧会「SHIBUYA VISION」をご覧になった方は多いと思います。展示協力というかたちで「明治大学建築史建築論(青井哲人)研究室」とかなり大きく入口のところに明記されていたかと思います。恥をしのんで申しますと、僕は先週初めて見に行きまして、この文…