2009-01-01から1年間の記事一覧

閩南(福建南部)調査の途中報告を。

大晦日の今日は泉州。ビジネスホテルをとったらネット接続良好なので、年が明ける前にここ1週間の日誌を取り急ぎ上げることにします。みなさんよいお年を。*写真は泉州開元寺門前の路地にて。12月25日(金)台北(桃園)→厦門(高崎)。宿に入る。陳正哲兄…

昨日より台北。明日より厦門。

昨夕、台北に到着。空港からそのまま某食事会へ。今日は朝から親戚の医院にて新型の予防接種を受け、人民元を用意し、床屋でさっぱり(+ぐっすり)し、電話で調査打ち合わせをし・・・。パナソニック電工汐留ミュージアムのOさんからメール。高階秀爾さんが…

四谷と渋谷にて。濃すぎてヘロヘロ。

昨日は午前中に四谷にある新宿歴史博物館にて「林忠彦写真展:新宿・時代の貌〜カストリ時代・文士の時代〜」を最終日すべり込みで見る。林忠彦(1918-1990)はプロ写真家としてデビュー後、1942年から華北へ出て“広報写真”を撮り、『写真週報』(内閣情報部…

忘年会・陣内研の皆さんと。

学生たちが陣内研の皆さんと合同忘年会を企画。昨晩(12月17日)新宿歌舞伎町界隈で飲む。次年度より研究室メンバーとなる現3年生も参加。3年生だと陣内秀信も布野修司も誰一人として知らないが(汗)、藤森照信は全員が知っている。もちろんニラとかの建…

入間基地周辺の旧・米軍住宅群を見る。

2009.12.15 Tue. 埼玉県狭山市・入間市の旧米軍住宅が残る一帯を研究室のK君(地元)とともに歩く。最初にたずねた入間市のジョンソンタウンは、元来は戦前期に分譲住宅地として開発された場所を、戦後に米軍住宅地としたらしい。元来の地主(ディベロッパー…

フットサル初挑戦は・・・。

惨敗でありました。 研究室9名+強力助っ人1名で即席チームをつくり(本当に今日できたチーム)、新百合ヶ丘のフットサルクラブが主催する大会(いろいろランクがありまして、スーパービギナーズクラスにエントリーしました)に出たのですがね。 実は僕が布…

12月10日・第1回 都市発生学研究会・田中傑氏「関東大震災後の復興プロセス〜バラックから本建築へ」

この公開研究会は、主題たる都市へのスタンスをかなり絞り込んでいますから、いつまでも続けられるものではないし、2〜3年で10回やって終わりたい、その間にどうしてもこの人と議論したいという方を幅広くお招きしたいと思ってはじめました。その第1回を田…

日比谷の日生劇場。RCラーメンを見ることにした。

12月6日(日)、日比谷の日生劇場(村野藤吾・1963)を、係の方に丁寧に御案内いただきながら学生たちと見学した。19世紀末のアール・ヌーヴォー、セセッションから20世紀初の表現主義の雰囲気が濃厚で、かつ戦後の工業的な材料が使いこなされている。竣工当…

ミナレットとミサイルと・・・

スイスでミナレット(アラビア語で塔の意)の建設を禁ずるよう憲法改正を求めるイニシアティブ(発議・請求)が11月29日に国民投票で可決されたというニュースを、数日前にBS2のワールドニュースでみた。驚いた。ちょうど西洋建築史の授業でモスクについて喋…

(告知)12月10日・第1回 都市発生学研究会・田中傑氏「関東大震災後の復興プロセス〜バラックから本建築へ」

私ども明治大学 建築史・建築論研究室にて、都市とその時間を発生学的に検討する連続公開研究会をはじめます。その第1弾は、私が拝読して驚嘆した(と繰り返し言明している)『帝都復興と生活空間:関東大震災後の市街地形成の論理』(東京大学出版、2006)…

久しぶりにゼミの様子など

lab

10:30〜14:30、研究室ミーティング。昼休みをはさみ4名発表。S君の室内論、W君の地下論、H君の村野藤吾論、K君の明治神宮論。やはり「様式の上にあれ」はたいへんに奥深い。神社の森も深いので頑張るように。 14:40〜16:10、西洋建築史の講義。「モーセの革…

「全球都市全史研究会」はおもしろくてむずかしい研究会です。

建築のみならず歴史学、政治学、経済学などの多様な分野の方々が都市(とくにメガ都市)の環境へのインパクトという問題に挑む、村松伸さん主宰の研究会(メガ都市プロジェクトの一環)。今日はその第3回で、テーマは「生態系から見た都市とそのネットワー…

高過庵での顛末

御父上はそこに這い込むやいなや、おもむろに窓をぜんぶ開け放ってくださり、すると室内の小宇宙が、美しい峻峰に取り巻かれた諏訪の盆地というもうひとつの宇宙へと見事につながっていくのでありましたが・・・旋風のためか突然ばたんっぴしゃりっと閉まっ…

海野宿・茅葺き町家のメタモルフォーゼ

研究室旅行3日目の朝歩いた北国街道の海野宿にて。 資料館に展示されていた写真によると、昭和初期になっても旧宿駅の町並みは茅葺きと瓦葺きが混じり(大半は茅葺き)、そして寄棟の茅葺きは妻入りと平入りが入り交じるといったように、やや渾沌とした風景…

週末(20〜22日)は研究室メンバーで山梨・長野方面へ。まずは日誌を。

11月20日(金):(1) 清白寺、仏殿(室町期)と庫裏(元禄期)を開けていただく。仏殿は方三間裳階付の典型的な禅宗様建築では最もコンパクトな事例。国宝。(2) 山梨文化会館(丹下健三/1967)、60年代的都市構想の建築的実現。TVスタジオ、中庭、屋上など…

売り家・小屋掛け

村野藤吾は五十を過ぎて自宅を建てようと思い、終戦直後に大和や河内の田舎の家を見て回り、どこかの村の名家の隠居家を買ってそれを改造して住んだ。「売り家」と言って、当時は田舎の家を買うのが流行していたという。家を買わなければ家を建てられなかっ…

日本の家は、素晴らしい家具に似ている。

昨年「家具道具室内史学会」という学会が設立されていて、この方面にも少なからず関心を寄せる身として遅ればせながらその会誌創刊号(2009年5月刊)を読んだ。家具や室内はこれまで建築史も民族学も考古学もうまく扱えずに来ている、新しい問題領域になりう…

chrono-graphy(時誌, 時の記録術)についてちょっと追加

前回のエントリーで、なんで時誌(時の記録術)= chrono-graphy という言葉はないのかと素人まるだしで考えてしまったのだが、ふと気づいたことをひとつ。topo-graphy は場所の不均質性に由来する。見知らぬ場所の固有の特徴は旅して記録しなければならない…

地誌はあるが「時誌」という言葉はないらしい。

鈴木博之+東京大学建築学科編『近代建築論講義』(東京大学出版会、2009)を読んだ。鈴木自身の短い論考がどれも冴えていると思った(他の論考より明らかに射程が広い)。以下は本書への直接の感想ではないので恐縮なのだが、ああ面白いなと思ったのは、鈴…

所用で武蔵野美術大学に行ってきた。

昨日、所用があり武蔵野美術大学鷹の台キャンパスに松葉一清先生を訪ねた。用件が終わった後、松葉先生にキャンパスをざっと案内していただいた。芦原義信先生のマスタープランにより1961年に開設されたキャンパス。 たぶん一番知られているのはアトリエ棟(…

世界的にみて特異な駅空間=都市空間をつくってきた会社をたずねる。

今日は東京駅八重洲口にある株式会社鉄道会館をたずね、お話をうかがった。毎週非常勤講師として通っている前任地(人間環境大学)のS君が卒論で「民衆駅」を調べていて、彼と2人での取材だった。 (↓写真『大林グラフ』1954年12月号。手前が鉄道会館。まず…

Shibuya-style ‘scramble’ crossing came to London.

渋谷スタイルの「スクランブル」交差点がロンドンにお目見え。オクスフォード・サーカスに昨日(11月2日月曜日)。ロンドン五輪がらみの都市整備の一環みたいで、市長が「英国の工学と、日本の改良と、そして伝統的良識の勝利」と、いかにもな演説をしたと報…

10+1 website Oct.2009/特集:インテリアデザイン史を遡る

本日公開されました。10+1 website Oct.2009/青井哲人「建築・都市への「インテリア」的眼差し:「建築家・坂倉準三展」を通して」/戸田穣「家具、この動くもの──ペリアン/ル・コルビュジエ《住宅のインテリア設備》(1928-29)」追記:柏木博「強靱かつ…

歩きました、飲みました。法政大・陣内研究室の皆さんと。

2009.10.25 Sun 陣内研の院生の皆さんと私たちの研究室のメンバー(+藤森研の院生の方)とで池袋駅(西口)、新宿駅(西口)、西荻窪駅(南口)、吉祥寺駅(北口)、下北沢駅(北口)を歩く。夜は下北沢に陣内秀信先生も合流してくださり、さらに陣内研・高…

郊外は思ったよりぜんぜん濃密で不思議である。

授業を終えて家に帰ったら近所のお母さんたちと子供たちが集まっていて、こんばんわ、いらっしゃい、とか挨拶したら、パパさあ、男の子達お風呂に入れてくれない? とか言われて、あっ?ああ、とか言いながらあんまり知らない男の子たちと一緒に風呂に入った…

住宅総合研究財団『すまいろん』の編集に関わらせていただくことになりました。

本日(2009.10.20 Tue.)よりすまいろん編集委員会に出席。錚々たる方々(ホントにキレる面白い方々)とご一緒させていただきます。まずは2010年夏号の特集を担当せよということでさっそく素案をいくつか提示させていただきました(古建築実習中、奈良の居酒…

「室内」という問題

古建築実習中に2冊読了(夜はひたすら飲んでたけど、昼間は移動時間がある)。 ひとつは海野弘『アール・ヌーボーの世界:モダン・アートの源泉』(中公文庫、1987/原著=造形社、1968)。著者29才、1968年の処女作。茫漠とした海のようなアールヌーボーの…

古建築実習 その3

5日目:奈良から京都へ移動しながらいくつかの阿弥陀堂を見る。平安後期、末法への恐怖と極楽往生への希求に駆り立てられた貴族たちの信仰の場。まず木津の浄瑠璃寺は九体の阿弥陀仏を並べ祀る間口九間の長い本堂と池を中心とする浄土式庭園。宇治の平等院…

古建築実習 その2

3日目:金峯山寺。吉水神社書院。今井町。当麻寺・・・と廻った一行に、僕は東京から新幹線とバスを乗り継いで霊山寺にて合流。和様の本堂は初日の大善寺(山梨県)とほぼ同時期の建築だが、内部では虹梁を含めて構造的表現を繊細な格天井で覆って貴族的な…

10月12日(月)〜17日(土):堀口捨巳先生以来の伝統の科目「古建築実習」

今日(13日)は、国宝の茶室・如庵(愛知県犬山市)を見たところで、(まだ詳しいことは言えないけれどかなりすごいことになりそうな)神社関係の某プロジェクトのためにいったん帰京しましたが、また明日は昼過ぎに奈良で合流予定です。 1日目:早朝に新宿…