青井哲人著・張亭菲訳(中国語)『彰化一九〇六年:一座城市被烙傷,而後自體再生的故事』ようやく手もとに届く。

changhua1906_2013s彰化 一九〇六年:一座城市被烙傷,而後自體再生的故事
青井哲人著・張亭菲訳
中国語
大家出版(台北
2013年10月

自分の怠惰のためにずいぶん長い時間をかけてしまったのだが、『彰化一九〇六年:市区改正が都市を動かす』(アセテート、2006)を大幅に増補し(2倍近くなっている)、それを中国語に訳した本が台湾で刊行された。実は、すでに10月初から台湾の書店に並んでいるが、なぜか出版社が我々に送る分を船便にしたのでようやく今現物を手にとった次第。この間、自分は見ていない自分たちの仕事について、台湾の先生や友人や多方面の皆さんからすでに嬉しい感想を頂いたり、台湾に行った知人から本見たよと言われたりするということが1ヶ月弱も続いたせいか、現物を手にした新鮮な喜びが薄い!(これホント)だけど、今まで講演等で紹介することはあったが、やはり活字になって台湾の読者に直接広く読んでいただけるというのはまるで意味が違うし、最近の若い世代にはきっと響くと思う。出版社の皆さん、また今回の増補にあたり資料・写真等を提供いただいた友人の皆様にはこの場を借りて感謝したい。訳者の亭菲さん、あなたが一番苦労したね、お疲れさま。

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表紙の黒い写真は、1945年4月18日に米軍爆撃機から撮られたもの(甘記豪氏のコレクションよりお借りした写真)。その上に、半透明の特殊な紙のカバーがかけられており、2003年8月に僕がチャリンコで彰化を隈なく廻ったときの野帳が印刷されている。

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カバーの見返しに、原広司『集落の教え100』の中国語版の案内が!この本も同じ出版社だったのね。何か嬉しいね。

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最初は本のコンセプトを編集者が理解しているとはとても思えなかったが、このかっこいい文は、最後に担当編集者が書いてくれたもので、僕らは手を出していない。訳文の調整のために相当のやりとりをしたからね、もうすっかり分かったみたい。「『彰化一九〇六年』は都市計画史ではなく、また市民生活史でもない。それは都市そのもの、つまり彰化自身を主語とした物語なのである。」