2015-01-01から1年間の記事一覧

『明治神宮以前・以後』の書評など

本年新春(2015年2月)に刊行された藤田大誠・青井哲人・畔上直樹・今泉宜子編『明治神宮以前・以後:近代神社をめぐる環境形成の構造転換』(鹿島出版会、2014)(→当ブログ内記事、amazon)について、管見のかぎりですが以下のような新刊紹介や書評などの…

辻原先生のブログより:台湾調査をご一緒したことなど

そうそう、熊本県立大学の辻原先生のブログに8月の台湾調査のことが書かれています。当方の研究室とご一緒した日のこと。 2015.08.18 青井研究室の皆さんの調査に合流させて頂きました_午前版 2015.08.18 青井研究室の皆さんの調査に合流させて頂きました_午…

熊本県立大学にてレクチャー+天草の旅

報告がすっかり遅くなりましたが、2015年11月6日、熊本県立大学の辻原万規彦先生に呼んでいただきレクチャーをさせていただいた。神戸芸工大出身で有明高専で教えている鎌田誠史さんも聞きに来てくれて感激。先日、辻原先生が学生さんのアンケートを送ってく…

東京藝術大学大学院講義「建築論II」をやっとります。

毎週月曜日16:20から上野キャンパス総合工房棟4階で「建築論II」という大学院の講義を担当してます。以下プログラムですが、予定は予定、いろいろ変更はあると思いますので悪しからず。 10月19日 イントロダクション 第1部 アノニマスな環境世界を読む 10…

歴史を動かすのはイデオロギーか技術か ---- 明治神宮シンポジウム「明治神宮「誕生」の前史を考える:境内と社殿の近世・近代」を終えて。

歴史学者と議論すると、イデオロギー的な答えを要求されることが多い。前に植民地神社の本を書いたとき、「けっきょく、あなたの研究で「国家神道」はどう書き換えられたのか?」と問われた。それはイデオロギー的な規定をせよ、という意味であって、つまり…

【再掲】【告知】10/24 明治神宮シンポジウム「明治神宮「誕生」の前史を考える:境内と社殿の近世・近代」

あらためまして興味ある方はお見逃しなく。「復古」「自然」の近世/近代。興味ある方限定!

2015古建築実習も無事終了。

10月5日 永保寺(開山堂・観音堂)/有楽苑(如庵・元庵)/犬山城(天守) 10月6日 法隆寺(西院金堂・塔・金堂・中門、東院夢殿・伝法堂)/唐招提寺(金堂・講堂)/平城宮跡(大極殿・朱雀門)/東大寺(南大門・大仏殿・法華堂・鐘楼) 10月7日 室生寺…

10+1 website 2015年10月号特集「新国立競技場問題スタディ:「白紙撤回」への経緯と争点」公開

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10+1 website 201510 特集「新国立競技場問題スタディ──「白紙撤回」への経緯と争点」 新国立競技場問題の日本的背景を考える──日本のコンペティションは、なぜ設計者の顔を隠そうとするのか? 松田達(建築家/武蔵野大学工学部建築デザイン学科専任講師) …

【告知】10/24 明治神宮シンポジウム「明治神宮「誕生」の前史を考える:境内と社殿の近世・近代」

こういうシンポジウムを行います。復古とは何か、自然とは何か。こうした問題をめぐる精神史・技術史に、神社における近世−近代の連続/断絶の相を通して迫っていきます。奮ってご参加ください。 明治神宮シンポジウム「明治神宮「誕生」の前史を考える:境…

壱岐勝本浦(長崎県)、神代研デザインサーヴェイ(1969)から46年後。

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2015年度夏の研究室合宿旅行は福岡県・長崎県・熊本県をまわったのだが、初日9月16日に福岡港から壱岐へわたり、勝本浦の集落を歩いた。ここ数年、伊根(京都府)、女木島(香川県)、十三(青森県)、沖の島(高知)と、明治大学神代雄一郎研究室が1967年に…

津波と綾里博物館展9月19日〜22日 いよいよ明日から!

明日2015年9月19日(土)から22日(火)まで、毎日10時〜18時、大船渡市三陸町綾里港のヤマジュウ電気隣にある空家にて、「津波と綾里 博物館 展 歴史・復興・すまい」が開かれます。 明治大学建築史建築論研究室では、東京大学の岡村健太郎先生とともに、空…

大学院設計スタジオ2 「神山スタジオ」:9/3プレゼミ+9/8〜12神山合宿(中間報告)

大学院建築学専攻(生田)の実習「設計スタジオ2」は、2015-16年度の2年にわたり「神山スタジオ」とすることになった。担当教員は、青井哲人(専任准教授/科目幹事)+伊藤暁(兼任講師)がコアだが、今年は園田眞理子(専任教授)先生にも指導いただく。…

2015年度夏の台湾調査〜沿海キャラバン+渓州集中調査

情けないことに多忙でブログが書けない・・・のですが、踏ん切りをつけてとりあえず台湾の報告を。 まず、今年から新たに下記の科研費で研究プロジェクトを動かしていくことになりました。科学研究費 基盤研究(B)「台湾都市史の再構築のための基盤的研究:都…

新国立競技場「白紙」化。重要なのはこれからです。

個人的には(よほどのことがないかぎり)たぶんないだろうと思っていた新国立競技場の設計の「白紙」化が、安保法制がらみの政治的意向によって(と思われるのだが)、ついに現実になった。 * ひとつ前の記事で少し書いたように、新国立競技場の事業では、…

『建築雑誌』2015年7月号特集「メディアコンテンツ化する建築」

『建築雑誌』2015年7月号特集「メディアコンテンツ化する建築」が届いた。建築はいまどのような「流通価値」を持ち、つまりは社会的に価値付けられ、受容され、消費されているのか。建築の専門性から外へ出て兆候的な事例を収集し、それらを通して、逆に私た…

「領域史」とはどんな運動なのか:『建築雑誌』2015年5月号特集「都市史から領域史へ」

遅ればせながら、『建築雑誌』2015年5月号特集「都市史から領域史へ」をとりあげたい。環境と人間活動の関係についての私たちの視野を力強く描き直していくひとつの運動が主題だ。 * この運動は、他でもない2011年3月11日の直後からある種の「うねり」とし…

新国立競技場問題、捻れた修正、みたび。

今日(2015.05.18)新国立競技場の整備問題に関して、下村博文文部科学相が東京都庁を訪ねて舛添要一都知事と対談、そのなかで建設コストの抑制や工期短縮を目的に整備計画を見直すことを明らかにした、という速報が流れた(たとえばこれ)。要するに東京都…

中谷礼仁さんの岩波『科学』での連載「動く大地に住まう」がはじまっている。

表記連載が掲載されている雑誌『科学』(岩波書店)2015年5月号を著者の中谷礼仁さんより恵投いただき、今日拝読した。連載の第1回は「Buildinghoodへの気づき」と題されている。著者が2013年正月にはじめた「プレートテクトニクス際の旅」の、そのすべり出…

10+1 website 2015年5月号特集「特集:研究室の現在──なにを学び、なにを読んでいるか」

10+1 website 2015年5月号特集「特集:研究室の現在──なにを学び、なにを読んでいるか」 青井研究室の記事 建築系の研究室はどんな本を必読文献としているか。あなたの学部4年や修士1年に薦める本を紹介せよ、というお題でした。建築史建築論研究室と称する…

建築雑誌2015年4月号特集「集合住宅の「普通の暮らし」:アジア東部6都市の比較」

建築雑誌の表記特集号が出ている。一つ前の編集委員会(2012-13)でもアジアのハウジング特集をやったが(→201308特集「アジアン・ハウジング・ナウ」)、そのときおよそ前提になると考えた見取り図は次のようなものだった。第一に、東南アジア・南アジアに…

シンポジウム「ヒストリー・オブ・ジャパン・アーキテクツ」のレビュー

表記シンポジウムについて当ブログでは、 http://d.hatena.ne.jp/a_aoi/20150228/1425138684 http://d.hatena.ne.jp/a_aoi/20150305/1425489332 のふたつの記事でいちおう振り返りましたが、この間に下記レビュー記事が公刊されました。ありがたいです。 吉…

八束はじめ・布野修司両先生と鼎談しました。

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八束はじめ・布野修司対論シリーズの第3回として、青井が呼び出されて「建築思想と生政治ー近代建築と建築史ー」と題する鼎談をしました(2015.01.09)。WEB版建築討論004号に出ています。5万字超えで、内容もマニアックですがご覧くださいませ。 建築討論 …

辰野金吾:英国的・ピクチャレスク的自由と、後進国日本の国家的要請のあいだで

河上眞理+清水重敦『辰野金吾』(ミネルヴァ書房、2015)を3月中旬にご恵投いただき、すぐに読んでお礼のメールを送ったのだが、あらためて感想を書いておきたい。 辰野金吾(1854-1919)といえば、藤森照信先生の『日本の建築 明治・大正・昭和 3 国家のデ…

たんなるメモ書きだけど、建築史家たちの世代的整理はたとえばこんな感じかなと。

生年だけで一絡げにするのは乱暴だけど、まあ意味がないわけでもないだろうということで、4〜5つの世代グループに分けて、生没年と国をメモってみた。大事な人の漏れや、事実関係の間違いもあると思うのでご注意を。 [第1グループ/19世紀中盤生まれ]オー…

福島原発事故現場20Km圏内を見て

昨日(2015.03.27.Fri.)明治大学中野キャンパスにてアーキエイド総会が開かれ、ゲスト・コメンテーターとして参加させていただいた。塚本由晴・貝島桃代のお二人の進行により12本の活動報告があり、懇親会、二次会と・・・。こうした試みの数々からどのよう…

卒業おめでとう。

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研究室からは修士4名、学部生8名が卒業・修了しました(9月卒業をあわせると、博士1、修士5、学部9名)。昨夜(03.26)はお祝いの会でした。いろいろと気を遣わせてしまいましたね。ありがとう。そしておめでとう。 考える自由を忘れず、状況に振り回されず…

2014年度研究室の学生諸君の成果

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研究室HPのthesisのページを更新しました。今年も立派でしたねー。俺もがんばろ。 [博士論文] 石榑督和 「闇市の形成と土地所有から見る戦後東京の副都心ターミナル近傍の形成過程に関する研究」(2014年9月修了)博士(工学)取得 [修士論文] 肥後伯子「第…

人の移動は居住世界をどう動かすのか 〜 複合化と葛藤 〜

2015.03.07. Sat. 「人の移動と居住文化」と題する公開研究会に、コメンテーターとして参加した。この研究会は、日本建築学会建築計画委員会の「比較居住文化小委員会」が企画したもの。こういう小委員会があるってこと自体、建築学会って奥深い。 公開研究…

ヒストリー・オブ・・についての個人的な備忘録

ヒストリー・オブ・ジャパン・アーキテクツのシンポジウムでぼくが喋ったこと、どうもうまく伝わっていないなあと反省すること頻りなのですが、大事な部分だけここで補足しておきたいと思います。まず、ぼくとしてはそれなりに日本の戦後建築史の全体をカヴ…

シンポジウム「ヒストリー・オブ・ジャパン・アーキテクツ」

2015.02.21 Sat. 金沢21世紀美術館の10周年記念「ジャパン・アーキテクツ1945-2010」の関連プログラムとして開催されたシンポジウム「ヒストリー・オブ・ジャパン・アーキテクツ」が開かれた。企画・モデーレータ=日埜直彦、スピーカーに長谷川堯、中谷礼仁…