都市史研究の運動性を感じた1日

一昨日(12/12)の日本建築学会都市史小委員会シンポにつづき、都市史学会大会に参加。残念ながら12/13は大学院の中間発表会だったので西川幸治先生の記念講演を拝聴できなかったのだが、14日のシンポでは各分野の研究動向の報告を聞き、ラテンアメリカ都市史に関する加嶋章博さんの報告へのコメントをさせていただいた。都市史研究の緊張感ある議論の場とそれが創り出す運動性をひりひりと感じた1日だった。

2014年度都市史学会大会プログラム
日時:2014年12月13日(土)・14日(日)
会場:京都工芸繊維大学60周年記念館1階記念ホール

12月13日(土)
都市史学会総会

記念講演:西川幸治(京都大学名誉教授)
    「都市史への試み」
司会:石田潤一郎(京都工芸繊維大学

12月14日(日)
記念シンポジウム「都市史の現在 II」
司会:三枝暁子立命館大学
趣旨説明:中川理(京都工芸繊維大学

遠く隔たった世界の事象同士が複雑な連関をみせる現代社会において、その激動の最前線にあるのが都市である。そこに生きるわれわれにとって必要なのは、目の前の問題への対症療法ではなく、歴史的な視野をもった展望であろう。このような問題意識にたち、都市史学会の第2回大会にあたる今回のシンポジウムでは、昨年度に引き続き「都市史の現在」をテーマとする。今年度は日本、イギリス、イスラームラテンアメリカの都市史研究の動向を報告いただく。それぞれ対象とする時代も地域も方法論もさまざまであるが、個々の領域に閉じるのではなく、都市史にどのような方法的可能性があるか、最適都市の探求にどのような展望が拓けるかについて広い視野から議論することを目標とする。今回の開催地京都は、日本の都市のなかでもとりわけ長い歴史を有する都市であり、都市史研究においても数多くの素材と視座を提供してきた。この京都の地から、日本のそして世界の「都市史の現在」を見つめることにより、都市史研究の地平をさらに拡げていけるものと考える。

報告1 日本古代都市史:山田邦和(同志社女子大学
報告2 日本近代都市史:松山恵(明治大学
報告3 イギリス都市史:本内直樹(中部大学)
報告4 イスラーム都市史:長谷部史彦(慶応義塾大学)
報告5 ラテンアメリカ都市史:加嶋章博(摂南大学

コメントとリプライ、全体討論:
報告1←河角龍典(立命館大学
報告2←高木博志(京都大学
報告3←大橋竜太(東京家政学院大学
報告4←三浦徹(お茶の水女子大学
報告5←青井哲人明治大学

2014年度都市史学会大会実行委員会:中川理(委員長/京都工芸繊維大学),石田潤一郎(京都工芸繊維大学),松本裕(大阪産業大学),三枝暁子立命館大学),岩本馨(京都工芸繊維大学),三宅拓也(京都工芸繊維大学),花田卓司(京都大学