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「ポシェ」から「余白」へ

小沢明『「ポシェ」から「余白」へ』(鹿島出版会、2011)、一気に読みました。同書の魅惑的なキーワード群を並べてみませう。 オープン・ポシェ(open pocher)/アーバン・ポシェ(urban pocher)/ハビタブル・ポシェ(habitable pocher)/コムロンガン…

新建築住宅特集1年間のお仕事終わり。最後は近作訪問=塚田眞樹子/KOZUKI HOUSE

通常どおりの記事も書きます。最後の取材は塚田眞樹子さん設計の住宅でしたが、こちらのサイトでyoutube動画が紹介されていましたので埋め込みで。やっぱり内部空間の刻々と変わる重層性やマットな白色の質感を伝えることが意図されていますね。僕は反対に、…

彙報的備忘録

所用あり盛岡に入っている牧紀男さんと電話で喋った(3/24昼前)。首都圏の関心はもっぱら放射能だが、現地では緊急期から応急期への移行が焦眉。現地の役所も仮設住宅供給で忙殺されている模様。別の情報だが国はすでに仮住まいからの再定住にかかわる計画…

ジョン・ターナー情報 追補

うっかりしてました(汗)。『群居』創刊準備号に、ターナーのこと書いてる、布野修司先生が。ターナーは1982年6月9-16日に国連アジア太平洋都市会議(於:横浜)出席のため来日していて、しかもその折に何とターナーから電話をもらって会ったところ、セルフ…

ジョン・ターナー情報まとめ(メモ帳)

ジョン・F・C・ターナー (John Francis Charlewood Turner) 1927- 英国の建築家。ペルーでスクォッター住宅に魅せられ、環境の自己組織化を肯定。セルフエイド型ハウジング・プログラムの推進者となる。(世界的に多大な影響力をもった主著『フリーダム・ト…

謹賀新年/列壁都市・管建築

あけましておめでとうございます。 この数日ホテルのネット環境が不安定だったので、新年のご挨拶が遅くなりました。私たちはサイゴン(ホーチミン・シティ)からホイアンに移動して新年を迎え、さらにフエで三日ほど過ごしたのち昨夜よりハノイに入りました…

ホーチミン市・華人街チョロンの里弄型住宅地

ホーチミン市は、古くは漁村集落を起源とするが、クメール人が進出してカンボジアが優越した時代もあったものの17世紀初期からベトナム人移住が進行し、1698年には阮朝がベトナム人の統治機構を樹立。1790年にボーヴァン式城塞を築き「嘉定城」と称した(フ…

『建築雑誌』2010年12月号・特集「平城遷都1300年考」とどく。

市川智子さんイラストの東大寺転害門が揺らいでいる。そしてページを繰ると何と10ページにわたる「平城京九相図」が・・・。市街地の変容に散りばめられた民俗誌的ノート、そして手前に描かれる東大寺大仏殿・南大門・転害門そして法華堂(三月堂)・二月堂…

砂本文彦氏の「学界展望・日本近代都市史」/都市史・都市論の基本問題について

もう1ヶ月以上前になると思うが、建築史学会のジャーナル『建築史学』が送られてきて、すぐさま砂本文彦氏の「学界展望 日本近代都市史」(『建築史学』55号、2010年9月)を拝読した。かなり思い切った研究状況の整理がなされており、緊張感をもって興味深…

列壁都市論のお披露目。

2010年10月3日(日)、建築学会都市計画委員会の「地域文脈形成・計画史小委員会」の連続研究会が開かれた。この日の主題は「計画と形成」。十数人の小さな研究会だが、中島直人氏、安田孝氏、田中傑氏といった錚々たる方々が現在進行形で考えていることを話…

(告知)10月14日・第3回都市発生学研究会は牧紀男氏。

※ ポスター貼ります。それと会場情報を追記しましたのでご確認のうえご来場ください(参加自由・無料) 都市発生学は、都市を発生学的に捉え直す運動です。生物学における「発生」とは、個体が誕生してから辿る構造変化の全過程を指します。都市を発生学的に…

『京城トロイカ』、植民地下朝鮮半島の街と住まいも。

安載成著(吉澤文寿・迫田英文訳)『京城トロイカ』(同時代社、2006)を読んだ。日本植民地支配の後期から解放後にいたる間に活躍した社会主義運動家たちを描いた小説である。 「さあ、この死に際に立った老いぼれから何を知りたいのですか」 植民地下京城…

篠原一男『住宅論』より抜き書き

先日(8月29日(日))、雑誌の取材で逗子のある住宅を訪れ、設計者の久野紀光さん・会田友朗さんと楽しい議論をさせていただいて大いに刺激をいただいたのだが、その折に、お二人に篠原一男『住宅論』(SD選書、1970/2000)についてとても大事なことを教え…

ソウル・レポート

今回は8月23〜26日のソウル滞在だったが、初日と最終日はできるだけソウル市内を歩いたのでその報告を。 (1) 景福宮:慶北大学の曺在模 CHO JaeMo 先生に案内していただく。まず光化門の再建がちょうど1週間ほど前に竣工したところだった。光化門は植民地期…

wall-to-wall architecture/inner-urban sprawl etc

8月24〜25日、"Modernities and Cities of East Asia: the View of the History of Civilization" と題する国際シンポジウムがソウル市立大学(University of Seoul)にて開かれました。私は今日25日の午後、"Creating Natural Forest in Modern City:Trans…

Parallel-Walled City:列壁都市

台湾都市は5mピッチで並行する壁の集合体であり、人々は懸命にその空隙を埋めている。もちろん壁を上方へ積み増すことはできるが、それを含めて、建築行為とは二枚の境界面のあいだを懸命に充填することである。だから今度は壁そのものに注目し、その両側で…

デザインWS台南2010・結

8月5〜10日のスタジオ(デザイン・ワークショップ)が無事に終了しました。写真は最終講評会の様子。会場は対象地のなかにある台湾文学館・文化財保存研究中心(旧・台南州庁舎)の一室。台南市政府都市発展局の方、対象地および周辺地区の里長(町内会長)…

デザインWS台南2010・続続

7日午後に行われた中間報告会の様子です。建築家の張瑪龍さんがゲスト・クリティックとして参加。学生の意図を最大限に受け取めつつ、ゆっくり、段階的に、批判的かつ建設的な助言をされていく講評は見事のひとことでした。張さんありがとうございました。 …

デザインWS台南2010・続

2日目のピンナップ・レヴューの様子。サーヴェイがかなり進んできています。課題は台南市のダウンタウンのリジェネレーション。サブテーマは下記の3種類(タイトルとキーワード)で、それぞれ2グループずつ、計6つの台・日混成チームが取り組んでいます…

台南でデザイン・ワークショップはじまる:明治大学大学院設計スタジオ3 台南2010 + 成功大学・南華大学

8月3日、大学院生を連れて台南に到着。ホスト校・国立成功大学の宿舎に。今回の参加大学は、成功大学・南華大学・明治大学の3校、約35名。4日、対象地区を歩き、6チームに分かれる。教員も全員揃った。明日5日がオープニングで10日に成果発表会が予定されて…

代行者としての人間

というコンセプトがクリストファー・アレグザンダーの『形の合成に関するノート』(Notes on the synthesis of form, 1964/稲葉武司訳、初版1978)に出てくる。自覚されてしまったデザインという領域が立ち上がる以前(必ずしも年代記的な前後ではなく、い…

ヨーロッパ都市の戦災復興は?

これが最近気になる問題のひとつ。あちらの「かたい都市」にも何らかの「やわらかさ」がなければならない、それが道理というものであろう。もちろんそれは焼け野原に生え出たバラックが段階的に発育して、曵家で動いて・・・、とか、駅前にテキ屋たちのマー…

5月17日(月)・すまいろんシンポジウム「やわらかい都市/かたい都市」

下記のとおり住宅総合研究財団機関誌『すまいろん』2010年夏号特集「動く住まい」の巻頭シンポジウムが行われた。 すまいろんシンポジウム「やわらかい都市/かたい都市」 2010年5月17日(月)14:00〜17:00 於:建築会館301会議室 講演1 伊藤毅「歴史のなか…

5月9日(日)研究室メンバーと神田・秋葉原・上野を歩く。

神田〜秋葉原間の鉄道がらみはなかなか面白かった。いろいろネタあり。万世橋近くのヘタ地に立つ木造建物はすごかった。敷地の尖った先から自販機やコインロッカーを並べ、一番深い部分でコインパーク1台分を確保してしまった最小限複合ビルであった。すで…

高橋康夫先生退職記念シンポジウム「都市史学が開いた地平:都市と歴史と自然をめぐって」

昨日になってしまったが、都市史研究(とりわけ日本中世都市史研究)の先駆者・高橋康夫先生の退職記念シンポジウム・祝賀会に行って、さっき帰ってきた。たいへん刺激的なシンポジウムだった。 京都大学大学院工学研究科建築学専攻・高橋康夫先生退職記念シ…

本郷キャンパスもやっぱりいいねえ(しみじみ)

昨日は私が幹事役となる建築設計の授業について兼任講師の先生方にお集まりいただいて打合せをした。今年もはじまるなあ(今年は設計の授業をなぜか3つも担当する、楽しみだが恐い)。毎年桜が咲いてキャンパスに垢抜けない新入生があふれかえってそわそわ…

「動く住まい」の世界にふれる

新年度初日の昨日は昼過ぎに市ケ谷へ。御堀端の桜もほぼ満開。某書籍関係の打合せを終えた後、5時より研究室の院生I君と取材。お話をうかがったのは株式会社恩田組の会長・恩田忠彌氏。同社は創業明治24(1891)年、曵家(ひきや)を中心に高い技術力で幅広…

国際デザインスタジオの準備のため台南に来ています。

*写真は成功大学キャンパス。すばらしー。3月29日。明治大学大学院建築学専攻の設計スタジオ3(海外スタジオ)の準備会議・対象地調査のため、教員6名で台南に来ています。今日は朝4:30起床。9:40成田発の便にて台北(桃園空港)。高鉄(台湾新幹線)にて…

楽しい研究会は夜の飲み屋へ続く。

橋本健二先生(→橋本健二の読書&音盤日記/橋本健二の居酒屋考現学)主宰のヤミ市の研究会に、初田香成さんにお誘いいただいて学生2人と参加。於・東大工学部1号館建築史作業室。メンバーに加えていただく。 初田さんはじめ4人の発表(うちの研究室のI君…

織物(fabric)の街・桐生。都市組織(fabric)もおもしろかった。

昨日は1日雑務に明け暮れてヘトヘトになって帰宅した。五輪女子フィギュアもだからリプレイで観たが、キムヨナをみた後は他の選手はみなフィギュアスケートというスポーツであった(意味伝わるかな)。話は変わるが先週末に群馬県の富岡と桐生に行ってきた…