東日本大震災と都市・集落の地域文脈 −その解読と継承に向けた提言−

日本建築学会 都市計画委員会傘下の地域文脈形成・計画史小委員会で、東日本大震災をめぐる「地域文脈」の解読と継承に関する提言集がまとめられた。昨日(2012.03.20)、今年度最後の委員会があって、できあがった冊子(2012.03.01-02の学会震災シンポで主査の木多先生が報告)を受け取った(委員会メンバーの自費作成)。一般的にイメージされる提言とは違って、小委員会メンバーが「地域文脈」の解読・継承について、各々の研究や実践を通じて書いた報告の集成といった体のものですが、政治的に正しい文言だけが並ぶそこらの提言よりかなり読み応えのあるものとなったのではないだろうか。
同提言集は、同小委員会ウェブサイトのページにて全文公開されているので是非ご参照いただきたい。
私も同小委員会のメンバーのひとりとして、「集落形成・計画の文脈の捉え方−三陸沿岸漁村の津波災害と復興をめぐって」を寄せている。昨年4月からの作業・議論を現段階で私なりにまとめたもの。研究室の学生たちとの作業と基礎研究、また都市史研究会での報告・討議、建築雑誌編集その他を通してお会いする機会をいただいた方々のご示唆などに多くを負っていることは、いくら強調してもしすぎることはない。

今日(2012.03.21)は学会の各常置委員会等の活動報告会(午前中)と通常総会(午後)。通常総会では理事会で承認された2012年度事業計画と予算案が承認された。いま日付変わったけど、NHKで放送している衆議院総務委員会での日本放送協会予算審議の様子をみている。NHKはその事業計画と予算案につき国会の承認が必要と放送法に定められている。NHK会長は、原点に立ち返り、公共放送の使命を再認識しながらその強化をはかりたい、収支の改善に取り組みたい、東日本大震災について公正な報道と復興支援に取り組みたい、といった説明をしていた。あ、どこかで聞いたのとそっくり。なんてね(ほんとに同じ)。

行き帰りの電車で、フィリップ・ディックの短編集、仁賀克雄編訳『地図にない町』(ハヤカワ文庫)を一気に再読した。プロットの複雑なのと単純なのがあるが、単純なタイプのでは「名曲永久保存法 The Preserving Machine」がかなり面白いと思った(前には思わなかったけど)。