2011-01-01から1年間の記事一覧

2011年9月4日〜7日・三陸沿岸の40集落ほどを巡る。

三陸海岸の集落 災害と再生:1896, 1933, 1960の情報を、現地の景観に重ねるという単純な読み取り作業をひたすら繰り返した。学生たちと一緒に4日間。思っていたより聞き取りもできた。皆さん親切に応対してくださったというか、むしろ話したいことが山ほど…

第3回編集委員会、2月号特集まで決定。

2011.08.26 Fri 18:00より第3回編集委員会。夕方からの大雨で小田急電車が遅れ会議開始の1時間前に到着の予定だったがまったく予定が狂う。他にも羽田が使えず成田にまわされてしまった北海道の先生がおられたかと思えば、東京ー新横浜間の新幹線運転見合わ…

日本建築学会大会が終わりました。

2011年度大会(関東)は早稲田大学キャンパスで行われ、閉会式でのアナウンスによれば過去最高の12,000人の来場者(概数速報)を得たそうです。わたしが参加・拝聴した催し等は下記のとおり。 第1日(8月23日) -開会式 -PD(建築文化事業委員会)「街を歩…

台湾調査後半戦は馬祖列島と台湾東部でした。

昨日(8/22)台湾より帰国し、今朝からは早稲田大学にて建築学会大会に参加しております。 今夏の台湾調査は、前半(澎湖群島・吉貝島の集落)は宿を定めて11名でひとつの集落をインテンシブに調査しましたが、後半は学生メンバーが入れ替わり、数名でキャラ…

AAR特集アジアグローバルシティ vol.2 台北

AAR (Art and Architecture Review) の特集アジアグローバルシティ 第2弾は台湾です。6月30日に藤村龍至・松島潤平のお二人によるインタビューを受けたのですが、その記事が(10月頃かと思っていたら)昨日(8/19)公開されたようです。ほかにも團紀彦氏・謝…

続・ティポロジアと「機能」の問題

2日間ほどネット接続が悪く疲れもたまっていたので前のエントリは尻切れとんぼになってしまった。あらためてポンペイを観察しながら書かれた二つの文章を短く引用してみよう。 しかし、たとえこれらのさまざまな状況的コンテクストを無視しても、住宅の本来…

ティポロジアと「機能」の問題

陣内秀信『都市を読む − イタリア』のなかで、僕は「ポンペイ」の章(p.186-210)がいちばん印象的だ。この章で陣内は、「住宅を取り巻く文化的・社会的経済的・歴史的・地理的なさまざまな状況がある。たとえば前近代住宅と近代住宅、古代住宅、プリミティ…

吉貝島(台湾澎湖縣白沙郷)で調査中です。

研究室復興・家具プロジェクトもいよいよ施工段階に/台湾入り

3.11で壊滅(といっても什器・備品・書籍などの倒壊・破壊・散乱です)した私たちの研究室(B4〜D1、約20名の居場所)の復興を新入りB4の共同プロジェクトとして4月から設計・積算・材料発注などを進めてきましたが、ようやく7月29日に材料が届き、7月31日よ…

第2回編集委員会は長丁場でした。

2011.08.04 Thu 大学で「明大建築アーカイブ」(なるものを構想して色々動いている)の打合せをしたのち、D1の石榑と一緒に田町へ移動。田町遠い(再)。15:00より第2回編集委員会。 (1) まずは理事会報告。 (2) ついで特集ラインナップの検討。前回おおまな…

家具はなぜ論じにくいかを皆で考えてみた

先週のことだが(20110727 wed.)、研究室のサブゼミで家具と建築の違いについて議論してみた。一昨年から家具やインテリアの理論や歴史ができないだろうかと考えはじめて、最近はその方面に興味のある学生も結構いるのでやらせてみているのだが、どうもうま…

建築雑誌2012年1月号ブレスト会議

20110726 Tue. 昼間、大学に京都工繊大のNさんと成功大(台湾)のKさんが訪ねてこられ、台湾の都市研究についていろいろ意見交換。16時過ぎに田町へ。ここんとこ週に2回くらい田町行ってる気がする。田町遠い。 18:30頃から10時過ぎまで建築雑誌2012年1月号…

「三陸海岸の集落 災害と再生:1896, 1933, 1960」完成

表記ウェブサイト、第1区の集落を公開しました。これで収載集落数は207となり、ひとまず目的のサイトが完成したことになります。作成にあたった石榑・山内・村上・肥後の皆さん、お疲れさまでした。 このサイトの特徴は、空間的・環境的まとまりをもった集…

大江新太郎の流れを汲む

2011.07.23 Sat. 理科大の田中傑氏と2人で町田へ。1917(大正6)年生まれ(現在94才)、戦中期の内務省神社局に奉職し、戦後も神社造営の中枢にいたK氏にインタビューさせていただいた。吉野は上市出身のK氏は、小学生の頃、おがくずの山で遊ぶのが楽しいか…

デザイナーとの打合せ/都市計画遺産研究会

2011.07.22 大学に寄ってから田町へ。会誌『建築雑誌』後半モノクロページのウェブ移行につき事務局と打合せ。つづいて2012年1月号よりデザイナーをお願いする中野豪雄氏と制作をお願いするメディアデザイン研究所のKさんと打合せ。中野さんは勝井デザイン事…

「三陸海岸の集落 災害と再生:1896, 1933, 1960」第2区公開

表記ウェブサイト、第2区の集落を公開しました。残すは第一区のみ。あと一息です。

書評・牧紀男『災害の住宅誌 − 人々の移動とすまい』

『新建築住宅特集』2011年8月号に、牧紀男『災害の住宅誌 − 人々の移動とすまい』(鹿島出版会、2011)の書評を寄稿した。同書で示唆されている、日本の “戦後史(という激動)” と “災害(の空白)” とのある種の「めぐりあわせ」という問題について書いて…

「三陸海岸の集落 災害と再生:1896, 1933, 1960」第4区の集落を追加

当研究室が作成している表記ウェブサイト、第4区の集落を追加しました。履歴ページをご覧いただくと、これまでの作成の経過がお分かりいただけます。現在の収載集落数は134となっています。 7月16〜18日は公務出張にて台北。国立台湾科技大学設計学院と明治…

建築雑誌編集委員会始動

7月11日、第1回編集委員会を開きました。 日本建築学会の会誌『建築雑誌』の編集委員長をすることになり、この間いろいろな準備に追われていましたが、第1回の委員会を無事に迎えることができました。委員会構成は29名。非常に幅広い分野、所属、地域の方…

M1肥後伯子、コルドバのカテドラル(旧メスキータ)の研究で日本建築学会優秀卒業論文賞受賞。おめでとう。

学会HPにて選考結果が掲載されています。当研究室のM1肥後伯子さんによる下記研究(2011年1月提出/明治大学徳永賞受賞)が優秀卒業論文賞を受賞することになりました。 肥後伯子『La Mezquita de Córdoba − 拡張と改造の痕跡としての接合部に見る保存・置換…

中央防災会議・専門調査会で、明治大学建築史建築論研究室「三陸海岸の集落 災害と再生:1896, 1933, 1960」が引用されています。

中央防災会議(災害対策基本法に基づいて設置された重要政策に関する会議で、内閣総理大臣を長とし、内閣府に事務局を置く)の「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会(第5回)」の記録・配布資料がこのページにアップされた…

筋肉痛

6月29日(水)18:00、博士課程の石榑君が法政大のN君と先週末に三陸海岸の漁村を見て回ったというので急遽報告会をした。理科大の田中傑さんが駆けつけてくれた。まわった範囲はウェブサイト「三陸海岸の集落 災害と再生:1896, 1933, 1960」でいえば岩手県…

開拓者としてのヒト

昨日6月28日(火)、僕が担当幹事をしている設計科目で兼任講師の先生方にレクチャーをしていただく「イブニングトーク」の本年度第2回目を行った。小島真知、山本祐介、安部良、古見演良の4人の建築家のお話はどれも興味深いものだったが、個人的に一番引…

ウェブサイト「三陸海岸の集落 災害と再生:1896, 1933, 1960」第二次公開は54集落。

4月29日に公開した「三陸海岸の集落 災害と再生:1896, 1933, 1960」(明治大学建築史・建築論研究室作成)ですが、本日ようやく第二次公開にこぎつけました。今回は第3区(典型的リアス式海岸)の全対象集落のページを作成・公開しました。これで収載集落…

「ただ在る」

牧紀男『災害の住宅誌:人々の移動とすまい』(鹿島出版会、2011)読了。初田香成『都市の戦後:雑踏のなかの都市計画と建築』(東京大学出版会、2011)も1/3くらいまで読んだ。まったく性質の異なる2冊だが、大局的には同じ思考空間のうちにある気がするし…

故・田中文男設計の継手仕口模型、組み立て実演ミニシンポジウム

2011年6月17日(金)午後、明治大学生田キャンパスにて。伝統工法の継手・仕口をコンパクトな模型のなかにできるだけ多種、しかも意図が汲み取れるように配慮しながら組み込んだ、立派な模型です。開発(考案・設計)は学者棟梁として高名なあの田中文男氏(…

開かれない世界遺産?

高木博志先生(日本近代史:近代天皇制の文化史的研究/京都大学人文科学研究所)が『中央公論』2011年7月号にお書きになった「世界遺産の前に考えるべきこと:閉鎖的な管理をやめ古墳時代の天皇陵を公開・活用せよ」を送ってくださった(いつもありがとうご…

私たちは都市という形で組織化されている;ジェイン・ジェイコブス『アメリカ大都市の死と生』

昨日は学生たちと5時間半かけてジェイン・ジェイコブス著・山形浩生訳『アメリカ大都市の死と生』(鹿島出版会、2010)(”The Death and Life of Great American Cities”, 1961)を読むという贅沢な時間を持った。このところ胃が痛くなるようなことが多いが…

ニュー・オブシディアン

最近読んだ(↓)(一部読了に至らず)。 吉村昭『三陸海岸大津波』(文春文庫、2004) 河田恵昭『津波災害〜減災社会を築く〜』(岩波書店、2010) レベッカ・ソルニット(高月園子訳)『災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上るのか』(亜紀書房…

工学院大学が「仮設でない」住宅の建設プロジェクト

「建築学部」と後藤治先生の力強い動き。「仮設でない永住の家建設へ 工学院大、絆重視し被災地に」(asahi.com) 三陸地域では地形的制約が厳しく、集落立地の余地が少ないから、仮設という段階を踏むよりも「仮設でない」住宅をつくる方が合理的という判断…