M1肥後伯子、コルドバのカテドラル(旧メスキータ)の研究で日本建築学会優秀卒業論文賞受賞。おめでとう。

学会HPにて選考結果が掲載されています。当研究室のM1肥後伯子さんによる下記研究(2011年1月提出/明治大学徳永賞受賞)が優秀卒業論文賞を受賞することになりました。

肥後伯子『La Mezquita de Córdoba − 拡張と改造の痕跡としての接合部に見る保存・置換・拮抗・放置 −』(2010年度卒業論文

コルドバの大メスキータは、拡張に拡張をへて600本を超える古典期イスラーム世界最大の列柱ホールをもつに至るのですが、それがレコンキスタの後、全面的な破壊をせずにカトリックのカテドラルに改造されます。この拡張・改造のたびに生じた接合面をひたすら観察し、その複合的様相を丁寧に読み解いた研究。異なる時間に属すモノの保存は、いかなる解答=デザインにによって可能になるのか。テーマそのものは指導教員から示唆したものですが(むかし『建築文化』誌に少し書いたことがある問題)、彼女はほとんど役に立たない膨大な作業から、それなしには展開できないような議論を組み立てています。対象への愚鈍なほどの責任の持ち方という点で感服した研究でした。
実は昨年度の当方の研究室は卒業論文がどれも水準が高かったのですが、今年のみなさんも頑張ってくださいよ。