AAR特集アジアグローバルシティ vol.2 台北

AAR (Art and Architecture Review) の特集アジアグローバルシティ 第2弾は台湾です。6月30日に藤村龍至・松島潤平のお二人によるインタビューを受けたのですが、その記事が(10月頃かと思っていたら)昨日(8/19)公開されたようです。ほかにも團紀彦氏・謝宗哲氏・佐野健太氏の記事が掲載されています。
私の記事は下記。学生たちと組み立てようとしている都市論の現段階での最新の論点がほとんど盛り込まれていますので是非ご笑覧ください。→ 青井哲人「台湾の「都市発生学」」
※山崎泰寛さんによる「After Talk」についてちょっと注記。山崎さんが以前に読んだ何かの文章に、台北には川がない、かわりに自動車のテールランプの流れがこの都市の経済的な勢いを示しているとあった、と書いておられる。山崎さんご指摘のように車やバイクの濁流の下にある道路は歴史的な存在であり、つまり日本の植民地支配と戦後の開発独裁的な政治の産物である。ただ、台北淡水河基隆河という二つの大きな川の流れがなければ存在していないことは念のために記しておく。淡水河は伝統的港市としての淡水を介して台北(艋舺・大稲埕等)と中国福建省広東省や東南アジアの多くの港市とつながっていたし、基隆河は植民地期に建設された近代港湾都市・基隆に注ぎ、台北を日本帝国の諸都市へと接続した。植民地期にはこの二つのネットワークが併存しており、都市や建築の実相もそうしたマクロなコネクションを背景に置かないと見えないところがある。