故・田中文男設計の継手仕口模型、組み立て実演ミニシンポジウム

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2011年6月17日(金)午後、明治大学生田キャンパスにて。伝統工法の継手・仕口をコンパクトな模型のなかにできるだけ多種、しかも意図が汲み取れるように配慮しながら組み込んだ、立派な模型です。開発(考案・設計)は学者棟梁として高名なあの田中文男氏(昨2010年8月逝去)。「大文(だいふみ)」を師とする岩瀬建設の岩瀬社長と若い職人さんたちが制作。シンポでは岩瀬さんらが組み立ての実演をしながら丁寧な解説をしてくださり、複雑な仕事の合理的な意味がとてもよく分かった(全部はとても覚えられませんが・・)。構法計画の澤田誠二先生の企画。
この模型は明大建築学科が立ち上げ中の明大建築アーカイブ(現段階では準備室)に教材として保管される。学生自身が組み立てたり解体したりできるようにマニュアルも添付されている。モノが組み上がるということの意味、そしていわゆる在来工法とその背景にある建築の産業化・制度化をめぐる諸問題を含めて、いま学生たちに何をどう教えるべきか、大きな問いをいただいた。堀口捨巳以来の古建築実習(1週間かけて古建築を連日見て廻る学部4年生配当の授業)でも活用できるかもしれない。