ミクロな実証とマクロな枠組がいよいよ立体的に結びつきつつある・・・台湾調査2014沙仔崙

2014.08.09〜08.24 台湾。学生たちとみっちり調査をしたのは8月11日〜21日で、そのうち2日はエクスカージョンだったし、初日と最終日は半日だから、まあざっと1週間の調査だったことになる。今年のターゲットは彰化県田中鎮の沙仔崙Sua-a-lun という街だ。…

中野のI-AUDプログラムで Urban and Architectural History という授業をやっている。

昨年(2013年)4月、明治大学理工学部建築学教室では、大学院(理工学研究科建築学専攻)の新しいプログラムとして、中野キャンパスで通称I-AUD(International Program in Architecture and Urban Design)を開校した。アーバン・デザインあるいは広義のア…

西村拓真さんが日本建築学会修士論文賞を受賞

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この春、院を修了した西村拓真さん(建築史・建築論研究室出身)が、日本建築学会 優秀修士論文賞を受賞しました(→学科HP)。 昨年の森山敦子さん(→学科HP)につづいての受賞。すばらしい!受賞者一覧はこちら 明治大学建築史・建築論研究室HP内 修士・卒…

雑誌『東京人』2014年8月号特集「東京人的台湾散歩」台湾我来了

雑誌『東京人』2014年8月号の特集は「東京人的台湾散歩」です。 上野の東京国立博物館での「台北 國立故宮博物院−神品至宝−」展開催( 2014年6月24日(火) 〜 2014年9月15日(月))にあわせて編まれた台湾特集。片倉佳史さん、片倉真理さん、与那原恵さんら…

山岸剛 写真展 "Tohoku: Lost, Left, Found" をみて

たとえば、この前年の、よく晴れ上がった秋空を、その空の極みとでも言いたい高空を、ほとんど幾何学的なまでに真直ぐな、四条の白い航跡を引いて飛んで行く、偵察用のB29機などは、その純粋に金属的な、一点の銀の色に、むしろ一種の、科学的感動をさえ喚…

再論:新国立競技場コンペ問題について

新国立競技場をめぐる議論が活発化している。5月28日に基本設計完成の報道があり、反対の発言や対案の発表が相次ぎ、マスコミでも小さな報道特集的なものが組まれ、6月15日には神宮外苑と国立競技場を未来に手わたす会が主催した緊急シンポジウム(会場は日…

「日本近代建築の百年 1914〜2014」(web版建築討論)+「建築における日本近代化100年の「倉」とは」(をちこち)

日本建築学会web版建築討論に、第2回けんちくとーろん(公開座談会)「日本近代建築の百年 1914〜2014」が掲載された。web版建築討論第2号のコンテンツだが、この座談会のみ先行公開した模様。レム・コールハースがプロデュースするヴェネツィア・ビエンナー…

研究室のウェブサイトができました。

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http://www.meiji-aoilab.com 今後しばらくコンテンツを補追していくことになると思いますが、ひとまず必要最低限のものはできたかなと思いますので公開しました。制作に当たってくれた皆さんご苦労さん。業務連絡:研究室メンバー諸君、ブログの更新が滞っ…

近世的な「地震の間」の継承と、近代的な「在来工法」への変化、との併存:千葉県佐倉市にて

2014.05.04 Sun. 千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館に出かけて、「歴史にみる震災」展(2014.3.11〜5.6)をみてきた。今年から首都大の饗庭伸先生代表のチームで進めることになった綾里プロジェクト(岩手県大船渡市)の仲間である、東大の岡村健太郎さ…

フィールドワークを端的に訳すと「野良仕事」であるということです!(中谷礼仁)一同 笑(藤森照信・石川初)

座談会 藤森照信×中谷礼仁×石川初 「野良仕事のすすめ、無用の用が面白い。」(『東京人』2014年5月号特集「フィールドワーカーになる」) さっき、同誌の編集の方にいただいて、ざあーっとページを繰っていて、この発言に目がとまって爆笑した。「まず最初…

景観のアーキテクチャ:建築史学会2014年度大会シンポジウム

2014.04.19 Sat. 建築史学会2014年度大会@京都工芸繊維大学。下記のシンポジウムに登壇。 記念行事 シンポジウム「“町並み”か“景観”か―町並み・集落・都市・景観保存の現在と建築史学―」 司会 中川理(京都工芸繊維大学) 趣旨説明 大田省一(京都工芸繊維…

備忘録:台湾の太陽花学運(ひまわり学生運動)(立法院占拠)について

3月末から4月初にかけて台湾におり(当ブログのひとつ前のエントリ参照)、帰国前日の4月5日の夜、台北の立法院周辺を歩いて参りましたが、立法院(国会議事堂)の学生らによる占拠とその周囲で展開された連日の運動には多くのことを学ばせてもらった。運動…

ゆえあって、こんなことをして参りました。

行程データ: 台北→大園→後龍→西螺→台南→枋寮→台東→瑞穂→礁渓→台北 (花蓮→蘇澳:鉄道) 9日間(03.28-04.05) 896Km 標高0〜546m(図中のグラフは高度の推移を示す) 台湾の地形を学びました。

2014年度 青井研究室の修士論文

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林直弘「同潤会と戦前・戦中期の東京郊外住宅地形成:工業都市・川崎における「官」「公」「民」の住宅供給とその政策史的背景」 西村拓真「1950〜70年代大阪における都市再開発とRIA:法制度/職能/共同体の相互規定的な変転から」 野口努「戦後日本における…

10+1 website 2014年3月特集「伊勢/式年遷宮:古代建築と反復の神話学」公開

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10+1 website 2014年3月特集 伊勢/式年遷宮:古代建築と反復の神話学 伊勢神宮を語ること、その可能性と不可能性──式年遷宮を機に/井上章一(建築史)×安藤礼二(文芸批評)×青井哲人(建築史・都市史) 反復による文明の比較──式年遷宮から日本を見る/大…

"Constructing the Colonized Land: Entwined Perspectives of East Asia around WWII" came out.

"Constructing the Colonized Land: Entwined Perspectives of East Asia around WWII", edited by Izumi Kuroishi, was released from Ashgate Publishing, Farnham-UK. Izumi-san launched the project with her friends in 2009 to publish a book discus…

テリトーリオとティポロジアをつなぐ論集『水都学』第2号が出ました。

『水都学 II』特集=アジアの水辺(陣内秀信・高村雅彦編、法政大学出版局、2014年3月) →法政大学出版局, amazon 力のこもった論考が盛りだくさん。青井は、テリトーリオ(領域)としての水系・水辺と、ティポロジア(建物類型)的な都市組織理解とをつなぐ…

瓦礫の中の建築論 ---『雑口罵乱 7』所収の竹内泰さんの講演録を是非読んでほしい。

滋賀県立大学環境建築デザイン学科の学生有志グループ DANWASHITSU が毎年発行している『雑口罵乱』第7号を読んだ。DANWASHITSU では1999年から錚々たる建築家、ランドスケープアーキテクト、エンジニア、建築史家、職人らを招いての講演+討論会を続けてい…

橋本健二+初田香成編著『盛り場はヤミ市から生まれた』(青弓社)出ております。

2010年からだったでしょうか、社会学の橋本健二先生、都市史の初田香成さん、吉祥寺の研究(だけじゃない)を頑張ってきた井上健一郎さんらの集まりに誘ってもらい、以後もこの研究会に若い人々が多方面から集まりましたが、そのメンバーによる研究の成果が…

2013年度・青井研究室4年生の皆さんの卒業論文・卒業設計

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今年度の4年生は、下記の論文・設計を提出しました。先週は文字どおり卒論・卒計ウィークで、論文発表会・卒計採点・ポスターセッション・合否判定会議・優秀作品ノミネートなどが続き、昨日(2014.02.02 sun.)卒計公開講評会が行われました。今日は大学に…

インフォ・グラフィクスを通して、建築を考える。

※ 展覧会は1月19日(日)をもって終了しました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。 ※本日1月20日(月)、撤収作業を行いました。これにて建築雑誌関連のお仕事すべて完了です。執筆者・登壇者の皆様、ライターの皆様、制作のMDRの皆様、事務局…

建築雑誌2012-2013展 はじまりました。

いやあ、これは必見です。編集とデザインとのインタラクション、それを支える論理と技法、その背景の試行錯誤を惜しげもなく開陳。力入ってます。是非ともお見逃しなく。本日1月7日(火)より1月19日(日)まで、2週間弱です(短い!)。 日本建築学会 http:…

【告知】建築雑誌2012-2013展/2014年1月7〜19日/建築会館ギャラリーにて

「建築雑誌2012-2013展」を開催します。この間、日本タイポグラフィ年鑑2013グランプリ、同2014各部門賞などを受賞し、高い評価を得てきた中野豪雄さんによる『建築雑誌』の表紙および誌面デザインを、大判に引き延ばし、またヴィジュアル制作プロセスも惜し…

謹賀新年2014 本年もよろしくお願いいたします。

旧年中は大変お世話になりました。SDレビュー、10+1website はじめ色々な媒体で仕事をさせていただき、また増補・中国語版『彰化一九〇六年』を台湾で刊行できました。学生たちと続けている台湾調査も新しい領域に進みつつある気がします。 今年は『新建築』…

SDレビュー2013刊行。後半は入選者と塚本由晴・青井哲人による丸々1日討論。

『SDレビュー2013』が刊行された。今年は入選作のページが拡充され、提案が「読める」誌面になったね。そして後半の企画は、入選者のみなさんによる非公開ゼミ。題して「SD丸々1日討論:日本現代建築における歴史認識をめぐって/SD a Day Long Debate: on …

とりあえず1本、おめでとさん。

俗にいう黄表紙に、下記論文が掲載されました。 石榑督和+青井哲人「闇市の形成と土地所有からみる新宿東口駅前街区の戦後復興過程」(日本建築学会計画系論文集 no.694, 2013年12月, p.2627-2635) 明治に来て、学生さんによる黄表紙の記念すべき最初の1…

10+1 web site 201312「東京オリンピック」からの問い──2020年の都市計画は可能か

昨日より10+1 website で新国立競技場問題の特集が公開されている。槇文彦さんの批判以後、活発な議論が行われているが、どうも建築界の人が建築の話をしている、という感じがあるのに対して、この特集ではもう少し冷静に共有されるべき議論の枠組みを描き出…

10+1 web site 201311 書評特集に寄稿しました。

10+1 website 2013年11月号 特集 ブックレビュー2013 が少し前から公開されていますが、僕も編集部からの依頼に応えてひとつ書かせていただきました。 青井哲人「群像の貴重な証言集めた労作。私たちはその声をどう聞くか──豊川斎赫『丹下健三とKENZO TANGE…

建築雑誌2013年11月号・特集「「建築家」が問われるとき:自己規定の軌跡と現在 When "Architect" Is Called into Question: Past and Present Self-Definitions」

今号担当は青井と竹内泰さん(宮城大学)だが、日埜直彦さんには、平良敬一氏へのインタビュアー、論考の執筆者というだけでなく、何度か議論の相手になっていただいたり、執筆者を紹介いただいたりと、企画段階から大変お世話になった。今号企画のあらゆる…

青井哲人著・張亭菲訳(中国語)『彰化一九〇六年:一座城市被烙傷,而後自體再生的故事』ようやく手もとに届く。

彰化 一九〇六年:一座城市被烙傷,而後自體再生的故事青井哲人著・張亭菲訳中国語大家出版(台北)2013年10月 自分の怠惰のためにずいぶん長い時間をかけてしまったのだが、『彰化一九〇六年:市区改正が都市を動かす』(アセテート、2006)を大幅に増補し…