【告知】建築雑誌2012-2013展/2014年1月7〜19日/建築会館ギャラリーにて

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「建築雑誌2012-2013展」を開催します。この間、日本タイポグラフィ年鑑2013グランプリ、同2014各部門賞などを受賞し、高い評価を得てきた中野豪雄さんによる『建築雑誌』の表紙および誌面デザインを、大判に引き延ばし、またヴィジュアル制作プロセスも惜しみなく図解する生唾ものの展示です。年末から年始にかけて中野さんの事務所と青井の研究室とで展示の制作をがしがし進めています(→作業風景@研究室ブログ)。インフォグラフィクスのロジカルな思考と技法に直に触れながら、建築雑誌2012-2013の編集を振り返っていただける機会です。みなさま是非ともお運びください!
16日には新編集部の委員である社会学南後由和さん、同じく新体制でのデザイナーを担当される原田祐馬さんをお迎えして、中野さんと青井との4人で、建築的思考とインフォグラフィクスとのインタラクションをテーマに議論するトークイベントを企画。こちらも席数は少ないですが、是非ご参加ください。
詳細は以下。

建築雑誌2012-2013展
展覧会
会場:建築会館1Fギャラリー
会期:2014年1月7日(火)〜1月19日(日) 休館なし
時間:9:30〜19:00 入場無料
主催:日本建築学会会誌編集委員会

トークイベント
建築的思考とインフォ・グラフィクス:
『建築雑誌』2012-2013の編集とデザインのインタラクションを通して
会場:建築会館1Fギャラリー
日時:2014年1月16日(木)18:30〜20:30
出演:青井哲人 建築史・都市史、2012-13編集委員
   中野豪アートディレクター、デザイナー、2012-13デザイナー
   南後由和 社会学、都市・建築論、2014-15編集委員
   原田祐馬 アートディレクター、デザイナー、2014-15デザイナー

開催主旨
日本建築学会の会誌『建築雑誌』(月刊)は、1887(明治20)年に創刊された日本で最も歴史ある雑誌媒体のひとつです。
震災後に発足した2012-2013会誌編集委員会が担当した24冊には、「3.11=東日本大震災」の投げかける問いが深く刻み込まれることになりました。編集部が強く意識したのは、災害がすぐれて社会的現象であること、ゆえにきわめて多数の要因が絡み合う複合的な事象であるということでしたが、建築の学・術は、もとより、問題系を構成する要因の複数性を引き受けつつ統合することをその本領としてきました。社会も地球も揺れ動くなかで、今期の『建築雑誌』は、建築学術の課題と可能性を問い直す上で足掛かりとなる諸条件の「地図」を、何枚も何枚も重ねるように描く作業であったといえます。
地図集(アトラス)としての24冊の編集意図を、表紙および誌面デザインを通して、稠密な結晶のように定着したのが、中野豪雄氏のデザインです。中野氏の毎号におよぶ膨大な作業は、編集部との触発に満ちた恊働を通して、いかにして複数の異質な情報群を統合し、読者の主体的読み取りに開くかを探求する、真摯で論理的なものでした。振り返ってみると、それは建築的思考とインフォ・グラフィックスの共振だったのだと思います。
こうした中野豪雄氏のエディトリアル・デザインは、日本タイポグラフィ年鑑 2013グランプリ、同2014各部門入賞と高い評価を得ています。このたび、中野氏による表紙と誌面から、多様なダイアグラム・年表などのグラフィクスを、大判印刷あるいは制作プロセスの図解によって分かりやすく示す展覧会を企画しました。是非多くの方にご覧いただきたいと思います。(2012-2013会誌編集委員青井哲人