テリトーリオとティポロジアをつなぐ論集『水都学』第2号が出ました。

201403_suitogaku_cover法政大学出版局, amazon
力のこもった論考が盛りだくさん。青井は、テリトーリオ(領域)としての水系・水辺と、ティポロジア(建物類型)的な都市組織理解とをつなぐという本書の基本的問題系(僕は勝手にそう解釈している)に、災害と植民というキーワードを掛け合わせるところに、「竹の都市」という何やら魅惑的な弱さを感じさせる台湾都市のかつての姿を復元していく論文を寄せております。

はじめに  陣内秀信
特集 アジアの水辺
■論 文
上海黄浦江両岸の開発過程における工業化遺産の保護と再生(張松/田村広子訳)
メコンデルタの都市(大田省一)
竹の都市──台湾濁水渓河系の内陸河港都市群と竹造町屋の史的意義(青井哲人
■研究動向
タイの水都研究史(岩城考信)
ラウンドテーブル アジアの水都学
■巻頭論文
アジアの水辺(高村雅彦)
〈討 論〉アジアの水都を解読する(陣内秀信、大田省一、青井哲人、恩田重直、岩城考信、ロドリック・ウイルソン、高村雅彦)
水都を読む
■研究報告
アジアの大都市における水環境と水辺景観(谷口智雅)
上諏訪 小和田の空間構造──湯と舟止から読む近世・近代の変遷(宮田駿介)
■研究ノート
水辺都市としての蘇州再生の可能性(寺田佳織)
水の信仰都市 バラーナシ(泉 泰葉)
■書評・新刊紹介
地井昭夫 著『漁師はなぜ、海を向いて住むのか?』(金谷匡高)
岩井桃子 著『水都アムステルダム──受け継がれるブルーゴールドの精神』(小島見和)