なんだか田町/エマニュエル・リヴァのヒロシマ/大学とは何か

昨日(2011.09.12)は朝から某審査委員の仕事をして、午後から学会の情報委員会、16:30から建築雑誌1月号のインタビューと、丸一日田町にいた。疲れた。でも今日のインタビューはよかったな。ネタバレはせぬが、お話をうかがったのは、遠野物語研究で著名であり(『図説 遠野物語の世界』ほか)、また山口弥一郎『津浪と村』(三弥井書店、2011)の再刊編者の一人でもある石井正己先生。示唆に満ちたお話ありがとうございました。そして今日(2011.09.13)は作品選集委員会でまた田町。

エマニュエル・リヴァヒロシマ写真展が建築会館でやってたので昨日見た。本(『HIROSHIMA 1958』インスクリプト、2008お勧め)も持っているけどやっぱりいいね(めちゃ美人だし)。学会では映画「ヒロシマ・モナムール」の上映会や谷川俊太郎+山岸剛のトークなども予定されています(→こちら)。それと今朝は三菱一号館美術館の歴史資料室でやってる「震災と復興」展も見て来たのだけどこれはちょっと肩すかしだったなー。丸の内あたりでは街角にUIA TOKYOのポスターが(東京フォーラムで9/25より)。

昨日・今日の電車往復で吉見俊哉『大学とは何か』(岩波新書、2011)をほぼ読了。16世紀における中世起源の「大学」の死、「アカデミー」の隆盛、今日の大学の原型をつくった19世紀ドイツの「フンボルト型大学」としての大学再生、日本における帝国大学の形成など、歴史的脈絡がよく分かりたいへん勉強になる。我々の分野に近いところでは、工学系の実学教育を支えた分厚いスコットランド・コネクションの特質や、彼らのもとに集まった旧士族学生たちの幕末維新期の政治経済的位置など、藤森照信先生が『日本の建築 明治・大正・昭和 3 国家のデザイン』(三省堂、1979)所収の辰野金吾論(これは震え上がるほどの名著!)で書いていることがグローバルな構造として客観的に理解できるので必読。