謹賀新年/列壁都市・管建築

R0022423あけましておめでとうございます。
この数日ホテルのネット環境が不安定だったので、新年のご挨拶が遅くなりました。私たちはサイゴンホーチミン・シティ)からホイアンに移動して新年を迎え、さらにフエで三日ほど過ごしたのち昨夜よりハノイに入りました。ホイアンからはミーソン遺跡も訪ね、またホイアン〜ミーソン、ホイアン〜フエは車移動として途中の農村・漁村に立ち寄っては民家に入れてもらいました。いくつかのタイプのボート、それに家船にもちょっとだけ乗せてもらいました。ベトナムは初めてですがなかなか充実した見聞旅行となっています。
ところで英国の出版社 Dorling Kindersley が出している Eyewitness Travel と称するガイドブックのシリーズに「VIETNAM & ANGKOR WAT」という一冊がありますが、この本ではサイゴンホイアンハノイ等の町屋を指すのに、 "tube architecture" という表現がデフォルトのタームになっているようです。現代のペンシルビル的町屋も「its present application」として捉えられていて、それを "rocket buildings" と言っている。なるほど。昨年、「列壁都市」という言葉を思いついて、これで世界の都市型住宅を語ったらどうなるかと考えはじめたのですが、純度の高い列壁都市の場合、建物を壁で挟まれた空間(あきま)の充填・再充填の反復というかたちで動態的に捉えると都市組織の変化+持続を捉えることができます。この場合の町屋(「建築物」に見えているもの)を、ウェーバーのちょっとした言葉遣いをもじって「wall to wall architecture」ととりあえず英語で呼ぶことにしたのですが、「管建築(くだ・けんちく)」でもいいかなと思いました。
というわけでハノイより新年のご挨拶でした。今年もどうぞよろしくお願いいたします。