(告知)10月23日(土)・シンポジウム「明治神宮造営をめぐる人々―近代神社における環境形成の転換点―」

20101023MeijiJingu明治神宮は今年で鎮座90周年。これを記念して学術会議を開くことになりました。1年前にはじめた明治神宮史研究会の中間報告となるシンポジウムです。
先週9月25日に第6回研究会があったのですが、これまで同様の濃密かつ刺激的な討議になりました。僕などはちょっと興奮気味だったと思います。だってあの建築家が、モダニズムを獲得すると同時に何があっても作家性・作品性を浮上させない覚悟と戦略をも獲得していたことを、議論のなかで突然に知ったのですから。以前、この建築家が丹下健三紙一重の存在であることを指摘したことがあるのですが(建築文化2000年1月)、それが正しいこと、かつ、その紙一重がいかに大きいかを思い知ったという感じでした。
さて、シンポジウム当日は、畔上直樹氏が内苑の森について林学・造園学が獲得した意外なモダニズム的構造とともにその環境モデルがローカライズされてゆく裾野にも照明を当て、藤田大誠氏が外苑とは何であったのかという問いを通して明治神宮で初めて全面的に自覚されることになった神社の公共性の問題を考察されるでしょう。私は明治神宮における建築の「沈黙」の意味に踏み込んでみる予定です。3人の提起はたぶん互いに重なり合い、交錯すると思いますが、さらにコメンテーターとして『明治神宮の出現』の著者山口輝臣氏が切り結んでくださるはずです。
参加無料・席数限定のため早めにお申し込みください。詳細は下記参照いただければ幸いです。

明治神宮鎮座90年記念・明治神宮国際神道文化研究所公開学術シンポジウム
明治神宮造営をめぐる人々―近代神社における環境形成の転換点―」

開催趣旨
 本年は、大正9年(1920)11月1日に斎行された明治神宮鎮座祭より90年の記念すべき年に当たる。本シンポジウムでは、明治神宮造営に携わった人々の構想や実践に焦点を当てて、神社史のみならず、建築史や造園史などの様々な複合的視点による議論を行い、今後の明治神宮史に関する学際的・総合的研究のための出発点を見定めることを目的とする。今回、3人の発題者は、近代において法的・空間的・社会的に形成されてくる一般的な神社境内(社殿等建築物、境内林、林苑、神苑などを含む)を、人為構築的環境かつ自然的環境という両義性を伴うものとして捉え、未曾有の国家的・国民的大事業であった明治神宮内外苑の造営という経験が、近代神社の環境形成における展開や変容、さらにはその定着や新たな学知形成をもたらした大きな転換点だったのではないか、という問題提起を行う。これらの発題を踏まえ、討議では、コメンテーターやフロアの参加者とともに濃密な学術的議論を行いたい。

日程 平成22年10月23日(土) 13時30分〜16時30分
会場 明治神宮社務所講堂
主催 明治神宮国際神道文化研究所
共催 國學院大學研究開発推進機構研究開発推進センター
    明治神宮史研究会
    科学研究費補助金基盤研究(C)「帝都東京における神社境内と「公共空間」に関する基礎的研究」

発題者
青井 哲人 (明治大学理工学部准教授)
 「明治神宮創建から復興まで:神社建築設計の系譜」
畔上 直樹 (上越教育大学大学院学校教育研究科准教授)
 「明治神宮内苑造営と「その後」:近代林学・造園学の「鎮守の森」論」
藤田 大誠 (國學院大學人間開発学部准教授)
 「近代神苑の展開と明治神宮内外苑の造営:「公共空間」としての神社境内」
 
コメンテーター
山口 輝臣 (九州大学大学院人文科学研究院准教授)
 
司会
今泉 宜子 (明治神宮国際神道文化研究所主任研究員)
 
【お申込方法】
 参加費無料
 参加ご希望の方は、催事名・住所・氏名・連絡先を明記の上、葉書またはFAX、電子メールにてお申し込み下さい。
 受付完了後、受講票をお送りします。
 《お申込先》 明治神宮国際神道文化研究所
   〒151-8557 東京都渋谷区代々木神園町1-1
   TEL: 03-3379-9338
   FAX: 03-3379-9374
   E-mail: center_mj@so.meijijingu.or.jp