(告知)10月14日・第3回都市発生学研究会は牧紀男氏。

※ ポスター貼ります。それと会場情報を追記しましたのでご確認のうえご来場ください(参加自由・無料)
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都市発生学は、都市を発生学的に捉え直す運動です。生物学における「発生」とは、個体が誕生してから辿る構造変化の全過程を指します。都市を発生学的に捉えるためには、「発生」のプロセスを凝縮して観察できる局面を選ぶことが肝要ですし、観察の方法もいわゆる歴史研究とはかなり異なったものとなるでしょう。時間を問題にしながらも、むしろ歴史学以外のあらゆる分野が乗り入れ可能な場を開きたいと願います。
さて第3回は、災害復興を工学と人類学が交叉する柔らかな場でとらえる希有な研究者・牧紀男氏をお迎えして、「移動」を災害への対応能力の問題として論じていただきます(これとかこれでご活躍のあの牧さんです)。楽しみです。みなさま奮ってご参加ください。

第3回都市発生学研究会
日時:2010年10月14日(木)16:30〜18:00
場所:明治大学生田キャンパス A館 A401
講演:牧紀男氏(京都大学防災研究所准教授)
「移動する人々 −災害の住居誌―」
自然災害に見舞われた人々は、住居の移動を余儀なくされる。移動のレベルは、避難所へ避難する・親族の家へ避難する、といったレベルから、集落・都市ごと移転してしまうといったものまで様々である。植民地経営や戦争・悪政といった社会的要因に加えて、大規模な自然災害も人々の大規模な移動を発生させる一つの要因となっている。地震でも壊れない強い住宅にするというのが災害に備える唯一の方法のように考えられているが、災害後の「移動能力」の大小も我々の災害に対する対応能力を決定している。日本・台湾・フィリピン・インドネシアといった環太平洋の国々は日本と同様、多くの自然災害に見舞われる国土を持つ。この講演ではアジアの自然災害の事例を中心に自然災害後の人々の移動について考える。