センシテビティ・不確実性・限界・時間・壊れ方・ポストモダンなどなど

20111105 Sat. 科研(海外学術調査/代表青井)の打合せ会+研究会@生田。「総舗」(これはホーロー語、chongpho と発音)など様々に呼称される台湾漢人住居の揚床状の寝床についてはすでに5年間にわたり調査を続けてきた。2006-07は住総研、2008年は明大技研、2009-12年は科研基盤(B)海外学術調査というようにファンドにも恵まれている。現在は台湾の陳正哲さん(建築史・原生建築論)、奈良の角南聡一郎さん(民俗学・考古学、物質文化研究)、東京の白佐立さん(都市建築社会史?)の皆さんとの共同研究で、調査には学生も毎回数名同行させる。さすがに数年も同じ研究を継続していると、視点が豊富化するとともに、当初とはかなり異なる仮説的パースペクティブが描けてきたので、初期のフィールドをあらためて見直す必要も出てきた。来る12-1月はそれを少しやろう。また、植民地期に形成された阿里山嘉義林業クラスタも現地で概要を把握しておきたい。木材の生産・流通機構の整備と、総鋪が普及しはじめる時期とが一致するから。

20111107 Mon. 『建築雑誌』2012年2月号の巻頭座談会@田町。宮本卓次郎(前東北地方整備局副局長・現みなと総合研究財団主席研究員)、高橋重雄(港湾空港技術研究所理事長)、柴山知也(早稲田大学教授・土木学会海洋開発委員長)、濱本卓司(東京都市大学教授)をお招きした。前の3方は土木。聞き手は編集委員の居駒・加藤・青井。津波のサイエンス/エンジニアリングがいまどのような地平にあるのかをまとめる特集だが、その巻頭にふさわしい包括的な議論ができたと思う。進行を担当された居駒知樹先生(日本大学海洋建築学科/2月号主担当)、お疲れ様。いい仕事してますな。夜9時頃に座談会が終わり、不思議なメンバーで寿司屋で盛り上がる。偶然居合わせたやはり土木分野の新井洋一先生(元日本大学教授)がめちゃ愉快な人でこれまた色々教えていただいた。
 それにしても目次に並ぶ先生方の半数が土木畑という、『建築雑誌』としては異様な、しかし画期的な号である。なぜそうなるのか、そうでなければならないのか、それ自体がきわめて歴史規定的である。乱暴にいえば、建築分野における津波研究の不在、そして土木工学におけるポストモダン的認識(1990年代初頭〜)、このふたつだ。いや、本当に多くのことを学ばせていただいた(本エントリのタイトルに並べたキーワード群参照)。詳しくは2月号を楽しみにしていただきたい。

20111110 Thu. また田町。情報ネットワーク委員会+HPワーキングの合同会議。学会HPが変わります。見やすく、探しやすく、使えるHPに。きれいに変わるといいなー。