2011古建築実習

明大建築学科発足時に堀口捨巳が設置した伝統ある科目「古建築実習」は、本年度より当方が責任担当者として運営しております。
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今年度のコースは下記のとおり。

2011年度 明治大学建築学科 古建築実習
10/3:近江八幡(旧西川家・旧伴家・旧八幡郵便局・白雲館・日牟礼八幡宮ほか)
10/4:法界寺(阿弥陀堂)/浄瑠璃寺(本堂・三重塔)/東大寺(南大門・大仏殿・鐘楼・法華堂)/
    新薬師寺(本堂)/十輪院(本堂)
10/5:平城宮跡(復元大極殿朱雀門)/唐招提寺(金堂・講堂・宝蔵)/慈光院(書院)/
    天理教本部/室生寺(金堂・灌頂堂・五重塔
10/6:今井町(上田家・今西家・音村家)/飛鳥資料館/石舞台古墳/吉水神社(書院)/
    金峯山寺蔵王堂・門前町
10/7:當麻寺(本堂・金堂・講堂・三重塔)/富田林(杉山家ほか)/百舌鳥・古市古墳群仁徳天皇陵ほか)/
    住吉大社/条里制と文化住宅
10/8:東寺(金堂・講堂・五重塔・観智院)/万福寺(大雄宝殿ほか)/角屋/
    仁和寺(勅使門・宸殿・白書院・黒書院・遼廓亭・飛濤亭・金堂)

参加学生(4年生)40名弱に聞いてみた感触では、最も反響があったのは天理教本部および角屋でした。分かりやすい反応ですな。私自身は東大寺法華堂・室生寺金堂・当麻寺本堂が好きです。あと富田林だけは実は初めてだったのですがかなり面白い街ですね。たぶん近世〜近代の産業化がこの街にティポロジア的な多様性を与えているという印象です。それとお分かりでしょうが「条里制と文化住宅」というのは都市連鎖研究体の「条里制タウン」です、もちろん。夕方の渋滞にはまって残念ながら街は歩けずじまいでしたが。
今年からは私が現場での解説もやっていまして、勉強不足は承知の上で自分なりに伝えたいことを喋っています。ところで帰りの新幹線で後藤治『日本建築史』(共立出版、2003)を読んだら、建築がいかなる論理で変化してゆくのかが淡々と論理的に説明されており、教科書なのに面白くて一気に読んでしまいました。来年度の現場解説はもうちょっと進化させたいものです。

参加くださった先生方、そしてマネジメント全般を担ってくれた助手・TAの皆さん、本当にお疲れさまでした。