建築家 本野精吾展〜モダンデザインの先駆者〜/京都工芸繊維大学にて

SeigoMotono建築家 本野精吾展〜モダンデザインの先駆者
SEIGO MOTONO : The Pioneer of Modern Design
2010年1月18日(月)〜3月11日(木)
京都工芸繊維大学美術工芸資料館
監修:松隈洋 企画総括:笠原一人

同館より図録同封してご案内いただきました。笠原さんありがとうございます。
たぶん学生の皆さんは本野精吾という建築家、知らないでしょう。僕はその昔(15年前くらい)日本インターナショナル建築会(1927-33)に興味を持った時期があったのですが、本野はその中心的メンバーの一人ということと、西陣織物館(1914)、本野自邸(1924)などが近代建築の先駆的仕事だということが知られる程度で、どうもよく分からないという印象でした。この展覧会は、たぶん、その分かりにくさの理由を含めて、本野と彼を取り巻く関係の歴史的特質が明らかにされているように思います。必見。とりわけ本野を照らし出す光がいかに多面的に用意されているかは、「続きを読む」の下に掲げた図録中の論文一覧を見ていただければ分かるでしょう。システム化されたコンクリートブロックに配筋して打設する、あの「鎮ブロック」の構造的・表現的可能性とか、客船の船体・内装デザインとか、新劇との関係とか、広告のグラフィックデザインへの関心とか・・・。驚きました。京都工繊大、よい仕事をされていますね。

藤森照信  本野精吾のあまりの先駆性
石田潤一郎 関西建築界と本野精吾
笠原一人  本野精吾のモダニズム〜その革新性と実験性〜
西澤秀和  中村鎮ブロックの可能性について〜構造技術的な視点から〜
海老名熱美 船内装飾史における本野精吾
依岡隆児  本野精吾と新劇
西岡美香  『プレスアルト』と本野精吾
宮島久雄  本野精吾の工芸図案教育
高嶋瑤子  本野精吾と京都の西洋音楽の受容
*以上は図録掲載論文だけを抜き出したものです。