新装 すまいろん / 日本の集落の三〇年 / 東京あんこガラパゴス

smile-on_2010winter住宅総合研究財団の『すまいろん』のデザインが新しくなりました。先史集落遺構をグラフィカルに処理した新シリーズです。(それでじーっと見てたら、雑誌の英語タイトルが Smile On "Housing Forum" Quarterly であったことを初めて知りました。すまいるおんだったのか。)
また創刊以来トビラをかざってきた藤井明先生による世界のヴァナキュラー住居の紹介「風紋」が終わり、写真家の畑亮・畑拓(父子)による「日本の集落の三〇年」が始まっています。初回はいきなり衝撃の写真。湖北(琵琶湖の北)は余呉町余呉湖というなかなか素敵な湖がある)にあった炭焼きの集落。一九七八年=茅葺きの家屋が小川に沿って立ち並ぶ。一九九八年=電柱と頼りない橋だけを残してすべてが消滅。二〇〇九年=樹木や雑草がすっかり集落跡を覆う。
特集は「ポストサブプライム・ハウジング:民間集合住宅の現代戦略」。責任編集は小野田泰明さん。集合住宅の計画論・供給論・制度論といった公式の主題と、底流の「東京あんこガラパゴス進化論」(←勝手に命名)が響きあっている。重層長屋の話とか。昨年10月のシンポジウム(北山恒・織山和久・中城康彦/司会小野田泰明)はすべり込みでディスカッションだけ聞かせてもらいましたが、いや面白かったです。学生のみなさん必読だと思いますよ、マジで。

ガラパゴス進化論はもちろんメガストラクチャなしのメタボリズム論です。独立住宅を中心に塚本由晴さんが言っている話とも通底しています。そういえば今日は研究室に藤村龍至さんから LIVE ROUND ABOUT JOURNAL のチラシが届いていました。テーマは「メタボリズム2.0」。出演者筆頭に何と磯崎新さん。プロセス・プランニング論ですね。

*それはそうと慌ただしく落ち着かない日々が続きます。