広島・呉を廻る。

_00215932009年6月19(金)〜21日(日)、研究室の学生たちと広島・呉へ(前日18日夜に広島入り)。
1日目:京橋会館(広島県住宅供給公社, 1954)/呉市庁舎(坂倉準三, 1962)/音戸市民センター(隈研吾, 2008)/呉市
2日目:広島市西消防署(山本理顕, 2000)/広島市環境局中工場(谷口吉生, 2004)/宇品ショッピングセンター(1947以降)/豊島集落
3日目:基町長寿園高層アパート(大高正人, 1976)/県営基町住宅(広島県建築課, 1960)/世界平和記念聖堂(村野藤吾, 1952)/広島平和記念公園・資料館(丹下健三, 1955)
目的のひとつは都市発生学研究の今後の展開に弾みをつけるべく、戦後復興期の建築および都市空間の生成について、それをある意味で最も意識的に再考しつづけてきた都市で肌に感じること。そういう意味では、青空市場(闇市)を脈々と受け継ぐ宇品ショッピングセンター、復興期の道路事業により移転を余儀なくされた商店会の人々が移り住んだ京橋会館、丹下と村野のまったく異質な2つのモニュメント、いわゆる原爆スラムの再開発として知られる基町アパートなどなどはひしひしと感じるものがあり、周囲にポツポツと残る戦後的空間の名残にも敏感に反応してしまう。
京橋会館では広島市建築課・住宅政策課のF氏・Y氏、宇品ショッピングセンターでは大正生まれの商店会長Y氏、平和記念聖堂では我々など到底及びもつかぬ知識と愛の溢れ出て止まない案内者T氏、といったように多くの方々の導きによって極めて多くを得た3日間だった。
皆様に心より感謝します。

解くべき問題、溜め息止まぬ豊饒な世界、そして未知との遭遇etcについては追々。