書評:西澤泰彦著『日本植民地建築論』

西澤先生のご研究の総括ともいうべき御著書につき書評を書かせていただきました。このほど掲載誌『建築史学』(2009年春号)が刊行となりましたのでご覧頂ければ幸いです。
書誌情報:西澤泰彦著『日本植民地建築論』名古屋大学出版会、2009年
書きながら再確認しましたが、西澤先生と僕とは、対象とする地域も、関心も、方法も、きわめて対照的と言えます。その意味では書評の範疇を超えている面もあることは自覚しています。しかし、建築を専門とする私たちが、植民地という場において権力をどう捉えるかという主題自体は共有されていますから、この地点からなすべき批判を書きました。端的に言えば、私たちは「権力の建築」ではなく、「建築の権力」を問うべきだということです。