「ポシェ」から「余白」へ

小沢明『「ポシェ」から「余白」へ』(鹿島出版会、2011)、一気に読みました。同書の魅惑的なキーワード群を並べてみませう。
オープン・ポシェ(open pocher)/アーバン・ポシェ(urban pocher)/ハビタブル・ポシェ(habitable pocher)/コムロンガン城(Comlongan castle)/パーティ・ウォール(party wall)/ディフィカルト・ホール(difficult whole; Venturi)/フリー・スタンディング・オブジェクト(free-standing object; Rowe)/内包されたヴォイド(concave-void)/気泡(babble)/空洞壁(cavity wall)/連担性(reciprocity)/都市組織(urban tissue)/アーバン・ユニット(urban unit)/ゼロ・セットバック(zero-setback)/ゼロ・ロット(zero-lot)あるいはゼロサム・ロット(zerosome-lot)/ツーサム・ロット(twosome-lot)/成層的共同住居(manifold-family housing)/土地賃借権(leasehold)/用途転換(use conversion)/隣接所有者(adjoining owner)/支持地役権(easement of support)/様相・地貌(形相, physiognomy)/象嵌型(infill-type)/第三の土地(third land)/ゴースト(ghost)/空地協定/庇合い(ひあい)/両生的スーパー・アーキテクチャー/地形対応的(geomorphic)/リエゾン(liaison)/相互観察者(mutual-spectator)/余白(blank)・・・
住居集合としての都市組織にフォーカスを置きつつ、あくまで都市デザインの現在を歴史的な脈絡のなかに位置づけようとした本ということになるでしょうか。都市史分野からも大いに参考になります。とくに前半は議論が躍動的で一気に読ませます(後半ちょっと冗長ですね)。不勉強を恥じつつ欧語表現も学ばせていただきました。