建築雑誌2010年1月号・感想

kz_201001楽しみにしていた中谷委員会の建築雑誌新年号が本日届いのたので、特集「検証・三菱一號館再現」を一気読み。担当=内田祥士・後藤治。めちゃ硬派です。特集中では松山巖古谷誠章・土居義岳の鼎談がとくに読みごたえがありました。
ここでは取り急ぎ、エディトリアル的に応援したい点を列記させていただきます。

・表紙に「建築雑誌」の文字がドンと大きく出た。1887(明治20)年以来の名前ですからね。僕は「JABS」が2000年に登場して以来しっくり来ない派(今回の表紙ではよく見ないと分からない程度にこのアルファベット4字あり)。
・初回に三菱一号館問題をとりあげたのは、対立軸を明示するという編集方針を示す上でも成功。鼎談がよかったと書きましたがとくに松山巖さんが吠えているのがすごい(p.29の写真は誰が選んだのでしょうか 笑)。
・各記事のアタマに英語でトピックが出ているのがよい。今後の方針は分からないが記事タイトルを英語化し、さらに目次にも入れるとなおよいのでは(10+1がその式であった)。たとえ本文が日本語でも、海外からの検索可能性を担保することは意義あると思う。
・カラー復活も歓迎(布野委員会でカラーになったがその後なぜかモノクロに回帰していた)。
・委員長挨拶につづけて編集委員会構成をきちんと全員プロフィル付きで紹介したのは中谷さんらしい。編集委員は責任重大かつ激務かつ無償ですからね。

これからも楽しみに拝読します。しかし、今後は委員の再任縛りを緩和しないと編集委員会成立しないのでは?