1年生授業「建築史とは何か」

0612
1年生向けのオムニバス「建築学概論」の担当回。学生たちに3つの問いを投げかけた。問1はコルビュジエの近代建築5原則の新旧対照イラストをいくつか白くしておいて、そこに適切なイラストを描き入れろというもの(これは2年生にもやったが、それなりに歴然とした差が出るし、そもそも建築への理解度がかなり露呈する。とくに旧い建築を描かせるのがミソ)。問2はアルル(南仏)のある都市(?)の絵を見せて、なぜそのような状態になったかを推理させる。古代ローマ闘技場遺跡が住居化したものだとは誰にも分からなかった。問3は伊勢神宮の図をみせて、なぜトナリに同一規模・形式の空白の敷地があるのかを考えよという問い。式年遷宮を知っている人は2割くらいか(寒)。
3つの事例は、時間(過去)に対する人間の態度の範型を示す。それぞれ、切断、転用、転写再生とでもいうべきところか。時間(過去)への態度を考えることはきわめて現代的な課題。建築史はこれがテーマなのよということで終わり。