アセテートとは何だったか:編集出版組織体アセテート8/27をもって活動終了。お疲れさまでした。

logo_tome 以前、アセテートサイトに「活動終了のお知らせ」が出ましたが、いま気づいたのですが8/27付けの中谷礼仁さん(同代表)のサイト内の記事にてあらためて同日活動終了の旨が淡々と記されていました。この記事が「この二冊 アセテート版から世界へ」と題されているのを見て、あらためて感謝の気持ちで一杯です。拙著『彰化一九〇六年』(中国語、大家出版、2013)は、『彰化一九〇六年』(アセテート、2006)を文・挿図とも2倍程度に増補したものですが、あの研究はアセテートがなければ書籍化されず、たくさんの読者を得ることもなく、中国語版もありえませんでした。アセテートとは何か。中国語版『彰化』のあとがきに、中谷さん自身による説明を中国語にして紹介させていただきました(張亭菲訳)。

編輯出版組織體・acetate 是為了讓還不為世間認知的優異成果,能更早一步被編輯及公開刊行的組織。這個名稱來自音樂家工作者們為了促銷自己的作品而作成及發放用的試聽用唱片的膠盤材料。
acetate 的營運來自完全的獨立組織。考慮到因為是小規模的出版而有的可能性,不輕忽對日常及事物的顧慮,在原設定的預算消耗殆盡前,持續活動。

2003年8月27日 acetate・中谷礼仁

というようなわけですので、ぼくもアセテート版を足がかりに(すごく時間がかかってしまったのですが)増補中国語版を台湾で出すことができ、アセテートへの責任をようやく果たせたと安堵している次第です。お陰さまで、今年の台湾調査でも多くの「読者」に会いました。皆様ありがとうございます。
 それにしても、「にわとりは ついばむ」という、あの美しくもユーモラスなコピーを目にするたびに、ああこの人にはかなわないなと痛感させられた記憶が繰り返し蘇ります。アセテートの活動、すばらしかったです。ヴェネツィアビエンナーレもお疲れさまでした。凱旋展やってください。