建築雑誌2012年7月号 R・クロネンバーグさんの記事は英文でも読めますよ。

建築雑誌 2012年7月号特集「動く建築:災害の間に」に掲載の、ロバート・クロネンバーグさん(牧紀男訳『動く家』の著者)による文章「災害後の仮設シェルターのデザイン」は、もともと英語でいただいたものを和訳して記事化しております。原文は、建築雑誌ウェブサイトの左カラムにある特集関連リンクからpdfにアクセスできますのでご活用ください。
 house, home, dwelling, residence, ... と住居を指す言葉はいろいろありますが、英語で応急仮設住宅はシェルターなんですね。むかし大学で建築の初源はシェルターだと度々教わったなー。雨風や危険から人が身を守れるベーシックな生存のための場所。これくらいに概念を差し戻した方が視野が開けるでしょう。復興スキームのあり方によって、このシェルターがどうあるべきかは変わってくる。供給時期、供給主体、構法、持続期間、品質、増築可能性や移動可能性などなど。テンポラル・シェルターは「間(あわい)」に出現するものですから、最も重要なのは、彼らが堂々と出現し、消えたり変身したりできるような「間」(時空間)のありようを設計することです。あるいは、今回はそれが明瞭でなかったとしても、供給された多様なシェルターを今後どう処分していくかという実験が、新たな「間」のありようを生み出す可能性もあります。注目していきましょう。