笠原政治先生をお招きして総舗研究会

20120616 Sat. 総舗研究会(台湾の寝床調査の研究グループ)の集まり。総舗 chong-pho とは台湾漢人住居の寝室に張られた揚床を指すホーロー語(台湾語)で、我々はここ数年その分布、起源、波及、持続的影響などについて追いかけてきた。角南聡一郎、陳正哲、白佐立、張亭菲、陳頴禎と私、といったメンバー。今回の研究会では角南さんの紹介で台湾原住民研究の笠原政治先生(横浜国立大学名誉教授)をお招きすることになった。客家研究の小林宏至さん(文化人類学)も来て下さった(福建の客家土楼の村でお会いして以来久しぶりで嬉しかった)。ちなみに台湾では、漢族の移入以前から台湾に住むオーストロネシア語族系の民族を「原住民」と称する。
 研究会では、我々の調査研究の紹介をした後、笠原先生に御自身の原住民研究についてお話いただき、意見交換。先生は早稲田の建築学科出身で、設計の授業では吉阪隆正らに教わったが早々に建築止めた宣言をして製図台など一切を庭で燃やし、文化人類学に転身。1977年に台湾調査の機会を得て、台東のプユマ族の村に入られて以来、一貫して台湾原住民研究に携わってこられた。研究会では当時の台湾の状況、台湾原住民の文化変容の様相、研究をとりまく諸状況などについて、人なつこい笑みを満面に浮かべながらお話くださった。夏の調査に向けて有益な情報と視点をいただけたと思う。懇親会でもさらにフィールドワーク談義で盛り上がった。笠原先生ありがとうございました。
 ・・・と感謝しつつ私は20:30頃懇親会を失礼して八戸を目指しております。