追記まとめ(追加は下から上へ)


地震発生(3/11)後の個人的備忘録はこれでいちおうやめにします。

  • 3/21:まちはサイバネティック。災害、とくに今度の津波は圧倒的にサイバネティック。力がそのまま変形を出力するから。それでもやがてはそれを大きな成り行きのなかに溶かし込んでいくだろう働きに対して人はその媒介者くらいに考えるのを美とするのはやっぱり日本的なのかとここ数日ほど身に染む。今度の巨大災害は、復興に向けて非サイバネティックな強い意志を持ち込むことを余儀なくすると思う。区画整理って昔は暴力だと思ってたしそれはそうなんだけど最終的にはやりくり型の技術だから日本に馴染んできたというのが最近分かった。そういう水準じゃなく、人為的な地図の書き換えが迫られる。それを政府は明確に示すのかどうか。もし示されるのなら、逆に過去からの連続性とか生成的な原理とかをその強い人為といかに調停するか、という問題設定も有効になるはず。
  • 3/21:神代雄一郎先生が生きてたら何を言うだろうか。


  • 3/20:夕方の会見。枝野長官のコミュニケーション・リテラシーは高いわ。破綻なし。それにしても昨日からTVが一変。災害関連報道が皆無の時間帯もあるし、関心は放射能に絞られつつある。災害の多面的な貌が捉まえられる前に急速に萎んでく。
  • 3/20:これ面白い→JPquake(Tanaka Jun 氏のツイートで知る)。"Journalist Wall of Shame", "Blogger Wall of Shame"など、レポータやブロガーの名前入りでリスト化。Severity of Offense を10段階でレイティングしてる。Wall of Shame の意味はこちら参照。台湾のネットコミュニティにこういうのつくればとすすめた。


  • 3/19:福島県双葉町1500人と役場をさいたま市(スーパーアリーナ)に移転。タンクローリーも取材クルーも30Km圏内には入れないみたい。もうすぐ7時間連続放水終わるのかな?(→10時間に延長されたみたい→13時間半になった。翌日も交代で100人以上派遣。現場の方々、連日ありがとう。)
  • 3/19:平井憲夫「原発がどんなものか知ってほしい」(1996頃)が台湾のネットコミュニティで全文中国語に訳されて急速に流布していると妻に教えられた。故・平井氏は原発配管技能工だが、件の文章は技術者的な抑制が感じられず、調べてみると、現場的リアリティと誇張・脚色・誤りの混合であり本人の講演をもとに複数の人が手を加えてつくった文章だろうとするサイトもある。台湾でも原発問題はクリティカルな話題で、多くの人が日本の現場技術者の告発として肯定的に受け取る一方で、推進派は平井なる人物自体の存在も疑わしいと応酬。ちなみに台湾では(おおむね)国民党など青陣営は原発推進民進党など緑陣営は反原発
  • 3/19:週末のせいかTVは「何が出来るか」討論会やってる。大事だけど空回りの感大きいし焦りを煽る効果も視聴者を災害から遠ざける効果も大。政府から民間団体まで含めた具体的なロジスティクスの構想と現況をマスメディアはもっと時間を割いて集め、伝えるべき。
  • 3/19:明大、登校自粛続く。大学・研究室に行く自由を学生から奪うなと主張する先生がかっこいいなんて安いヒロイズムは有害です(この状況では)。
  • 3/19:所用あり明治神宮にメール。HPみたら3/11には周辺住民やビジネスマンがしばらく境内に避難したらしい。関東大震災のあった1920年代が神社の「開放/神聖」論争の時代だったことを思い出す。境内からの連想でテキ屋。都市の「空き間」を臨時的・仮設的に地割りして一変させる人たち。「空き間」いろいろ。


  • 3/18:物流基盤のトップダウン的復旧が目覚ましい。国交省によると17日までに幹線道路94%、空港100%が復旧、港湾も60%程度使用可能の目処が立った。これにともなってローカルなストリートレベルの活動量も飛躍的に増えるはず(小さなロジスティクス)。これでガソリン供給が戻れば・・・。
  • 3/18:明治大学の卒業式も中止()。昨夜(3/17)のうちに告示が出てたみたい。
  • 3/18:情報的な交換の構造と、物的な交換の構造とが、互いにどうつながったりズレたりしているのかが大事な気がしてきた。たとえば被災地にモノを送る手段を持たない我々に対してTVは被災地が何を必要としているのかばかり伝え続け、物流インフラの再構築がどうなっているか数日間伝えてくれなかった。取材クルーが行けない場所の情報は抜け落ちているのだろうし、現地被災者こそが最も情報不足なのは今だにそうらしく、たぶん各取材クルーも目の前しか見えないが、マスメディアは局所的情報を編集し、ウェブ上ではさらにあらゆる情報ソースをメタ情報化する自己言及がわっと増殖する。でも一昨日あたりからかなりダイナミックな物流基盤の再構築の動きが見えてきて、こちらはヘヴィな施設や仕組みを政府主導でトップダウン的に編成していることが少し分かってきた。かなり創発的な状況の情報分野と違って、物流の復興では小さなエージェントの混在は厳然と排除され、重く太いものの構築が目指される。そのへんの動向を政府もマスメディアももっと伝えてほしい。
  • 3/18:海外の報道は先鋭化しがちでデリカシーは弱い。逆に日本国内の報道は海外からみると状況認識的に甘く見えるらしい。海外から連絡をもらうと手持ちの情報も違えば意味付けの方向性(もともと意味=サンスは方向・傾きのこと)も違うので会話が噛み合わない。互いに説得モードになってしまう。日本人は分かってないみたいな話は受けつけにくいことを分かって。


  • 3/17:私も見ました。「なぜ警告を続けるのか〜京大原子炉実験所・”異端”の研究者たち〜」(映像08、毎日TV・関西発)。原子力で飯を食いながら原発批判を続けるという独自のポジションを生きる大学研究者たちのドキュメンタリー。
  • 3/17:買い占めダメってメッセージのメディア露出が昨日くらいから増えた気がする。買い占めが不道徳というより有害かつ無意味だと言えるようになるまで3〜4日ほどもかかったってことか? ひとつは、問題が物資の量じゃなく流通の再構築だってことが見えるのに時間がかかったということだろう。
  • 3/17:連日海外の友人からも気遣いのメールや電話が入る。シンガポール大の友人からは、5月12-15日の国際会議の論文提出〆切延期の知らせと災害への見舞い(参加登録者全員宛)。御礼のメールを送る。一方で日本在住外国人の離日つづく(批判ではない。日本に定着する理由のない友人には、事情にもよるが、おおむね帰ることを助言した方がよいと思う派)。
  • 3/17:災害は過去の連想・回帰を呼びやすい。適切なものもあれば危険なものもある。視野狭窄・短絡もおこりやすい。石原発言は関東大震災後の天譴論の危険な回帰との観察あり(「よみがえる「天譴論」)。今日の円高も、95年の円高(79円)が阪神淡路大震災後だったことへの連想も少なからず働いている由。原因はメキシコ通貨危機によるドル安とクリントンの経済政策だったことをきちんと想起すべし(与謝野さんも言ってる)。
  • 3/17:昨日、仙台市の某大学勤務の先生(出身大学同期の友人)から同市北部の被災状況のレポートが送られてきた。1995年に阪神間の大学が連携して行った緊急被災調査で連日街を歩き回ったことを思い出す。しかし津波被災地域の状況は神戸とはまるで違っているだろう。


  • 3/16:ポジティブ・フィードバック(あるエージェントの動きに対して他のエージェントがそれと同じ方向に動くように応答すること)の連鎖は怖い。ネガティブ・フィードバック(平衡に戻そうとする応答)がつぶされぬよう。平衡は全体主義ではない。石原発言は前者に与するものでせう。
  • 3/16:牧紀男さんの災害論「移動する人々」を思い出す。様々な階層・動機・経路での人口移動が起こっているはず。
  • 3/16:来週3/22-24に予定されていた台湾出張(台湾の大学との協定締結関係の公務)も本日の打合せで中止決定。
  • 3/16:災後はじめて大学へ。11階建校舎の最上階のため揺れが激しく学生の部屋も自分の部屋も書棚が倒れ、本がことごとく落下し、立ち入りも出来ない状態(僕の部屋)。PC等機器にも被害あり。比較的大学近くに住む学生4名と復旧方針の打合せおよび作業。いちおう通路程度は確保。しかし今後の入室は控える方針とし、ルールを決めて研究室MLに流す。


  • 3/15:今週末・3/19(土)に予定されていた建築史交流会(建築史分野の学部生・大学院生の交流を目的とした研究発表会)の中止が決定された。
  • 3/15:夕方、日本建築学会災害委員会経由で東北大学からの情報が流れてくる。水・ガソリン・電気がない。被災状況の詳細はなお明らかでないが、ガソリンの給油も困難ななかで調査のために地元生活者の生命線を奪うことはできない。全国各地からの調査団等の準備があろうが、自重されたい、といった内容。
  • 3/15:ある場所での人体吸収線量が毎時何ミリシーベルトという時間あたりの量と、それに時間をかけた積である吸収線量何ミリシーベルトっていうのはきちんと区別して言うべきじゃないの?(素人発言です)
  • 3/15:枝野官房長官の口は特徴的(形態)。ウサギ説もある由だが、私の分析ではほぼ亀とみなせる。亀なんとかがんばっている。40年前の原発施設も悲鳴を上げながらがんばっている。東電はだらしない会見繰り返す。現場の技術者はしかしきっとすごくがんばっている。何か寓話みたい。
  • 3/15:計画停電の批判報道が堰を切ったように噴出。昨夜はまだ情報的だったが今朝は世論イデオロギーを着てる。いちばんマズい兆候なんじゃない?


  • 3/14:計画停電の方針および関連報道のあり方、何だか理解不能。被災地の体育館やら公民館の電気が止まっているのはおかしい。首都圏の住宅地(我が家含む)とか停電にすべきなんじゃない? 住宅がいちばん融通きくよ。
  • 3/14:夜、研究室メンバーによる研究室復興の初期方針出る。冷静かつ柔軟な検討がメーリングリスト上で展開されていて、僕としては彼らへの信頼感を強くした次第。
  • 3/14:早朝、子どもたちの小学校の連絡網で臨時休校の電話あり。東京の電車ほとんど運休。大学からも本日予定の全会議中止とのメール入る。多くの人が家にいるか、スーパーにいるみたい。買い占めはやめようよ。


  • 3/13:出身研究室OBのメーリングリストで宮城にいる友人が「いま一番必要なのはガソリンとガスボンベ」と。送れるのか? どんなルートが構築されているのだろうか?(個人では送れないようだが・・・) それにこれら被災地の必需品を首都圏の消費者が買い占めてよいのか?
  • 3/13:今日は小田原にいたが、スーパーもコンビニも、単1型乾電池とガスボンベは完全に払底。路上各所でガソリンスタンド給油待ちの渋滞(車の行列)が生じていた。
  • 3/13:マグニチュードは9.0に再修正される。計画停電の報道あり。


  • 3/12:夜、出先でメールチェック。研究室メンバーから無事を伝えるメールが続々入る。


  • 3/11:明治大学)ほか、いくつかの大学や機関が施設を開放しているようです。