John F. C. Turner, HOUSING BY PEOPLE, 1976

Turner_HousingByPeople_p138-139《ジョン・ターナーの本はハウジングに関するものだが、同時に人々の生活の何が基本的なものか、どんな力が彼らを制御しているのか、そして彼ら自身は何を制御できるのかについて書かれている。コーリン・ワードが序文で言うように、ターナーは「ハウジングの専門家よりはるかに希有な何者かである。すなわち、あまりに基本的であるため滅多に問われることのない問いへの答えを探求する住まいの思想家なのである。
 多くの点でイヴァン・イリイチやE・F・シューマッハーに似て、『ハウジング・バイ・ピープル』もまた、人々のネットワークこそが、彼らの環境を掌握しうるのであり、また何が必要なのかの決定を専門家はおらずとも賢明に彼ら自身に命ずることができるのだという信念を表明している。ハウジングにおいて、我々の日常的な環境の最も基礎的な部分こそが我々の掌中から逃げてしまっていたことをターナーは教えてくれる。発展途上国と先進国の事例を使って、彼は人々が自分たちの政府に押し付けられた類の住宅について述べ、自分たちのものとなる住宅の決定を許されたとき個々のコミュニティが獲得しうるものと対置する。住宅政策は中央政府に指図される必要はなく、むしろ地元の制御下に置かれうることを彼は説得的に議論する。ハウジングが自由企業にゆだねられねばならないとか、近代技術は放棄されるべきだとかいうことではない。ターナーは、地方コミュニティが自分たちの必要を満たすために国の資源を利用できるようになってしかるべきだという立場を貫くのだ。
 ジョン・F・C・ターナーはいま低所得層向け住宅政策コンサルタントとして独立しており、ロンドンで建築を教えてもいる。彼は長年にわたってハーバード/MITの共同都市研究センターにあり、MITの講師であった。》(back cover blurb of John F.C. Turner, HOUSING BY PEOPLE: Towards Autonomy in Building Environments, Pantheon Books, New York, 1977/first published by Marion Boyars Publishers, London, 1976)

裏表紙の公告文を訳してみたんだけど、どうもかたいなあ(訳文が)。