書評:『韓国近代都市景観の形成:日本人移住漁村と鉄道町』

『図書新聞』2999号(2011.1.29付)に、下記の本の書評を書きました。
布野修司・韓三建・朴重信・趙聖民『韓国近代都市景観の形成:日本人移住漁村と鉄道町』(京都大学学術出版会、2010)
この本については前にもこのブログでふれたことがありますが(これ)、韓三建・朴重信・趙聖民の三人の博士論文を一冊にまとめたもので、日本植民地支配が朝鮮半島の地方のごく普通の都市・集落・住居にいかなるインパクトをもたらしのかを膨大かつ緻密な作業によって暴いています。方法・成果ともに、間違いなくこの分野の先端的水準を示しています。また序章・第I章・終章は師匠(布野)が書いているのですが、こういう目配りの効いた先行研究や関連情報の整理は嫌みなほど布野らしい。これら各章もまた、同書を関連分野の研究者が必ず目を通さなければならない本にしています。でも今度会ったら批判しよ。