10月4日(月)〜9日(土)・2010古建築実習終わる。

僕も今年で3年目。今年は40名の履修者があり賑やかだった。毎年少しずつコースは違っていて、今年は安楽寺(長野県上田市)、瑞龍寺富山県高岡市)など僕にとっては初めての場所もいくつかあったし、2度3度と訪れている場所もまずは全体から細部まで目に焼き付け直そうと頑張るとじわじわと発見もある。日野の法界寺阿弥陀堂なんてホントにすごいです。
ところで写真は仁和寺の白書院に見られる細部の例。仁和寺は初めてではないが、この一群の建築物を見るのは初。入ってしばらくは気づかなかったのだが、この一郭は明治20年(1887年)に焼失して大正2ないし3年(1913-14年)頃に竣工しているのだから、そうであってもおかしくはない。そう、アール・ヌーヴォーですねこれは。きっと知られていることなのでしょうけど。勅使門は京都府技師・亀岡末吉が設計したことが知られているが、その意匠はもうアール・ヌーヴォー的な装飾が狭い枠のなかで極限的に繁茂したかのようで圧巻(これとか参照)。同時期に建設された他の建築物(白書院・黒書院・宸殿・霊明殿など)も細部に目をやれば繊細で生き生きとした曲線が見つかる。流れるような線が際立つ蟇股とか。こういう細部をみつけては写真撮ってたら、「先生フェチですねえ」と学生に言われた・・・そういうんでもないんだけどな・・・まあ勿論そういうことでもあるんだけど。
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同じく白書院の細部。
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下は上述の勅使門。
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