Parallel-Walled City:列壁都市

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台湾都市は5mピッチで並行する壁の集合体であり、人々は懸命にその空隙を埋めている。もちろん壁を上方へ積み増すことはできるが、それを含めて、建築行為とは二枚の境界面のあいだを懸命に充填することである。だから今度は壁そのものに注目し、その両側で起こることを壁がどのように受け止め、履歴化していくのかを観察することができるはず。
Walled City だと城壁都市だから、 Parallel-Walled City というのはどうでせう。漢字では「列壁」というのがよいと思います(カルナックは列石。もちろん古代オリエント以降は列柱があるが、列壁というアイディアは稀少ではないか)。
一昨日より新竹周辺の客家集落を廻るために新竹市のダウンダウンに宿を定めています。前に新竹の街を歩いたのはたぶん8〜9年前じゃないかな。久しぶりの街は各所で整備が進み活気に満ちあふれていてびっくりしましたが、そのぶん不穏な動きも。写真は市内の重要な歴史街区である北門街の一郭。列壁都市を解体してゆく大きな資本の力。
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西螺にて。壁を接してひしめく生活。


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台南にて。街屋(町家)が一棟孤立してしまった、と捉えてもよいですが、その両側の空隙が充填を待っている、と考えませう。それが列壁都市のコンセプト。