2010年4月28日・第2回都市発生学研究会・初田香成氏「闇市=都市論序説:都市建築史から見た東京の闇市」

建築史・都市史分野における近年の闇市研究の開拓者、初田香成さんに御発表いただいて討議。法政大、滋賀県大、東大、あと明治では都市計画研究室の人たち、そして第1回発表者の田中傑さんといった方々が集まってくださり盛況でした。闇市文学を専攻されている院生の方もいましたね。懇親会も25人くらいだったんじゃないかな。生田の小さな居酒屋を貸切状態でわいわい議論してたらアッというまに日付が・・。
今回お話しいただいたことを僕なりにまとめれば、東京におけるマーケット的空間の系譜学、ということになるのではないかと思います。そのなかに戦後闇市のいわゆるマーケットの形成と、それが整理されて雑居ビル等に再編され、この雑居ビルが東京中の駅周辺に散種されていくプロセスとが位置づけられる。初田さんもおっしゃっていたように、この系譜学の構想は近世あるいはそれ以前にまで遡って跡付けられる必要がある、と同時に、意外にも戦前期のことがよく分からない。そうしたいくつかのミッシングリンクをつないでいく作業を期待してます。もちろん我々がはじめているいくつかの作業も、そこにクロスしていくことになるでしょう。ムーブメント(運動体)にしたいです。
初田さんどうもありがとうございました。