久しぶりにゼミの様子など

10:30〜14:30、研究室ミーティング。昼休みをはさみ4名発表。S君の室内論、W君の地下論、H君の村野藤吾論、K君の明治神宮論。やはり「様式の上にあれ」はたいへんに奥深い。神社の森も深いので頑張るように。
14:40〜16:10、西洋建築史の講義。「モーセの革命」(中沢新一)は、「唯一・絶対」そして「表象不可能」な神の出現。表象不可能な超越者にひざまずく空間とはいかにあるべきかという問題。教会とモスクはまったく異なる仕方でこの問いに答えた。ひとつは神への接近の欲求を駆り立てる空間、他はただ神への服従を反復的に確認するための空間。やっぱりモダニズムの源流はすでに一神教建築に胚胎してるんじゃないかなあ(表象が禁じられたとき何ができるかという問いによって建築の自律的なあり方が問われたはずだから)。
16:20〜17:50、M1の中間発表リハーサル。5名の発表を聞き助言。今年のM1は4月からの8ヶ月でずいぶん伸びているなあ。
18:00〜20:00、学部3年生研究室配属の面接選考。11名のプレゼンを聞いて質疑応答。なかなか面白かったがもうフラフラ。
帰宅して晩飯食って子供を風呂に入れ、いま明日の都市史特論(大学院講義)の準備中。いよいよ藤森照信『明治の東京計画』(岩波書店、1982)。同書を通して銀座、兜町、丸の内などの市街地の形成を紹介する。話題の三菱一号館(のオリジナル)も話に入ってくるだろう。この本、もう4回目くらいかな読むの。姉妹編ともいうべき辰野金吾論(『日本の建築 明治・大正・昭和 3 国家のデザイン』三省堂に所収)とあわせて読むと、明治という時代をステレオスコープで立体視しているような気分になるよ。それに筆致っていうか文体がもうすごいんだから。

そして・・・藤森先生が描き出す明治の東京を壊滅させたのが関東大震災だとすれば、その後の再生のドキュメントを話せるのはもうこの人しかいません、というわけで来週の件については明日この場でもアナウンスします(研究室の学生ブログにはもう出てるけど)。