歩きました、飲みました。法政大・陣内研究室の皆さんと。

2009.10.25 Sun 陣内研の院生の皆さんと私たちの研究室のメンバー(+藤森研の院生の方)とで池袋駅(西口)、新宿駅(西口)、西荻窪駅(南口)、吉祥寺駅(北口)、下北沢駅(北口)を歩く。夜は下北沢に陣内秀信先生も合流してくださり、さらに陣内研・高村研・青井研の学生たちが大勢加わって賑やかな交流会(飲み会)となりました。さすが陣内先生の研究室ですね、都市への視線などたいへん共感しましたし、なかなか熱くて生意気な人たちが集まっていて、僕もかなり語ってしまいました。うちの学生たちも陣内先生をつかまえてかなり頑張っていたようです。チャンネルをつなげてくれた陣内研のN君とうちのG君、ありがとう。今後も是非よろしくお願いします。何かやりましょう。
さて今回のまち歩きは、私たちの研究室の都市発生学チームが企画したもの。都市発生学は、発生学の観点から都市誌を描き、都市の生命的なダイナミズムを説明できる都市学の構築を目指す。当面のターゲットは戦後復興期の鉄道駅近傍。焦土からの発生を考えてみる。そのせいか、どうやら「発生」という言葉は誤解を招くらしい。焼け野原といってもゼロじゃないんだから発生というより再生でしょうとか、都市が発生するんじゃなくて市街地とか建築が発生するんじゃないですかとか。しかし生物においては遺伝子情報とコンテクストにもとづく細胞や組織や個体の再生産を「発生」と言う。カエルの子がなぜカエルになるのかを考えるのが発生学(あるいは発生生物学)なのである。つまり発生(development)はいつでも再生(reproduction)なので、ゼロからの発生などなく、そしていつでも発生と呼んでよい。
それと、戦後復興期はドラスティックな大量の発生が観察できる特異な局面として採用しているのであって、実は都市にあってはつねに小さな発生が繰り返されている。陣内研のN君が調査した池袋北口付近のチャイナタウン化なども、目立ちにくいが実はダイナミックな、そして都市の機微が折り込まれたきわめて興味深い「発生」の一例なのである(トウキョウ建築コレクションで彼が発表したプロジェクト「都市を読む:東京2008」を参照)。


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これは吉祥寺のハーモニカ横丁@google 。ここは戦後都市発生の「胚」がそのまま息づいている素晴らしい街ですね。店主の方々も極小空間の活用方法がたいへんよく分かっていらっしゃって、それ自体も考察に値します。
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