渋谷区役所にて資料調査等。

R0018760研究室の学生4名と渋谷区役所へ。まちづくり課の方の御協力を得て、渋谷駅周辺地区の再開発の検討のために作成された模型を拝見しました。左の写真、一見したところ実際の航空写真のようですが、実はファサード・屋上・地表面等の写真を貼り付けて作成された1/1,000の模型。屋上の空調機器や路上の陰影などが効いていて写真にすると奇妙なリアリティがあります。
模型を見ながら課長さんに再開発の方針などうかがいました。しばらくすると東急会館など坂倉が設計した建物はすべて消え、渋谷駅周辺でいくつかの再開発が進められて今とはまるで異なる景観に生まれ変わってしまうようです。2003-04年に解体された東急文化会館(写真手前のドーム=プラネタリウムが乗っかった建物)は、当該エリアの計画がたまたま最初にまとまったために再開発がここから動き出したということなのでしょう。しかし建築物というものが事業の採算性と権利関係と制度との擦り合わせであらかた骨格が決まってしまうものだというのは、常識とはいえ、目の前で矢継ぎ早の説明を受けるともうグウの音も出ない感じです。逆に言えば、坂倉が難波・渋谷・新宿等に関わった時代を再評価することは、少なくとも現代のこうした状況を浮き彫りにする意味はあるでしょうし、また物的遺産が消滅する前に渋谷がいかに形成されてきたのかを総括しておくことは重大な責務だと感じました。
そうそう、区役所の窓からは丹下の代々木競技場が見えました。坂倉の渋谷計画66もこれを意識して作成されたのですが、それはまたいずれ。