東大駒場も立教大もキャンパスがいいな。研究会とかシンポジウムとかの週末。


0712 Sat. 10時30に駒場の東大生研へ。「ぼくらはまちの探検隊」審査員でお会いしたとき村松博士が「どう?」と誘ってくださった地球研村松プロジェクトの研究集会に参加。その前に藤森研のBさん(台湾出身)に会って博士論文の相談を受ける。植民地解放後に台湾へ流入した国民党軍の兵舎団地のことを「眷村」といい、植民地期の軍用地(兵舎)跡を継承的に転用したものが多い。戦後台湾は、数的マイノリティである移住者が、数的マジョリティである土着者に対してつねに優位性を保つように社会の仕組みがつくられ維持されてきたが、眷村に住む下級軍人や退役軍人たちはいわばこの優越的移住者グループの最底辺を構成する。だからこそ彼らを集住させ、土着系(つまり植民地期を経験した台湾人)との交渉をできるだけ断つようにした。彼らは政権側にあるが、むしろ隔離されてきた。戦後台湾都市はそういう異質な集落みたいなものを抱え込んでいる。これは日本時代と国民党時代を貫く都市史を考えたとき、たいへん特異な出来事だろう。博論がんばってくださいヨ。
地球研の村松プロジェクト、これはもうフレームのあまりの壮大さに唖然としたが、皆さんの自己紹介がとても面白かった。ある方の秋葉原調査なんかビビっとインスピレーションが下りてきた。
研究集会は16時過ぎに失礼し、赤坂の鹿島出版会に移動して打合せ(といっても大学のお仕事)。鹿島の担当Iさんと、明治の院生たちと飲む。

0713 Sun. 池袋の立教大へ。着いてみたら前に一回講演やったことのあるホールだった。今日は「日本植民地研究会第18回全国大会」にて日本植民地都市の比較史の可能性を考えるシンポジウムで講演+討議。前々から著書を拝読し引用もさせていただいていた橋谷弘先生(東京経済大学)がとても的確に僕の論点を整理してくださったので自然に調子が出た。その後も多くの方が質問をくださりディスカッションを楽しむ。終了後にあらためて橋谷先生に挨拶すると、僕の本を読んでくださっているようで「何だか初対面という気がしないな」とにこやか。ありがたいです。東大生研の大田さん(久々)、林さん(最近よく会う)も来ておられた。お呼びいただいた研究会の皆さんにも感謝。でも、シンポジウム自体は正直言って設定にもっと工夫が必要だと思う。たとえばパネリスト間の専門性の壁が高すぎて突っ込みようがない。もうちょっと何かできるはずだと思うし、僕は僕で何かやるべきなのだろうと思った。