近代建築史14/日本のモダニズム

0710
前回は1920年代日本=表現主義系の全盛期だったが、今日は1930年代を中心に。Antonin Raymond の位置(めちゃ早い)、デ・スティルの重要性、バウハウスへの接触ときわめて裾野の広い追随者群の形成、そしてLe Corbusier の弟子たちの出現・・・という展開を話す。そのうえで、「近代建築/日本建築」の間をブリッジする論理は如何という話題へ進む。堀口捨巳の茶室研究、吉田五十八の数寄屋のモダニゼーション、岸田の『過去の構成』、タウトの二分法、丹下・浜口らの類型論的思考(戦中)、そしてミース的ユニヴァーサルスペースの把握(戦後)・・・。しかし途中で時間切れ。
建築観そのものの転換によって歴史観は変わりうる。いやむしろ、つねに過去の描き方の変更をもって建築把握の転換は確立・定着される。その意味でモダニズムも原理的に過去を切り離すことはできないのだろう。2年生諸君には難しいかな。来週はこのあたりを引き継ぎながら、モダニズム批判の流れを紹介して授業を締めくくる。そのなかで、たとえば「機能主義」といった概念の整理もしてみたい。時間足りるかな。