すりばちターミナル都市・渋谷

0705 Sat. 研究室の学生たちと渋谷を歩く。広大複雑怪奇な東京を僕も少しずつ勉強しなければならないが、今年はいくらか縁もありそうな渋谷を少しは語れるようになろうかなと。縁というのはI君の修論だけれど、もう少し大きな縁に広がるかもしれない。


その縁との関連でいえば、渋谷のポイントは鉄道・路線バス・自動車・歩行者という複数・多層の交通がほとんど平地のないすりばち状の地形にぎゅっと集約されざるをえなかったことだろう。だからコンテクストの重合が解くべき課題を局所的に色々発生させていて、だから街を歩いていると色んな解決(定着手法)が発見される。

これとか、けっこういい感じ(→)。


で、駅ビルというのは一番大掛かりな複合コンテクストの立体的処理装置なのだろう。坂倉準三は難波、名古屋、渋谷、新宿などでターミナルビルと駅前広場を核とする再開発プロジェクトにかかわっている。しかしとりわけ渋谷はすりばち地形の縛りが効いているからこそ、駅ビルまわりは相当グロテスクなことにならざるをえず力業が要求される。そのあたりがどのように解かれようとしたのか。


それはそうと、鴬谷ではこんな根こそぎの再開発の風景に出会う(再開発前のこの住宅地の資料があったらあらためて追補します)。近くでも連鎖的に不穏な空気が漂いつつある感じがうかがわれた。渋谷駅近傍は副都心線開通やら東横線の付け替えやらで騒々しいし、街角に無数の警官がいて気味が悪かったが、それよりも業務地区から住宅地区への移行帯ともいうべきエリアの激しい動きに薄ら寒いものを感じた。