新入生とバス・ツアー:国立西洋美術館・法隆寺宝物館・東京カテドラル・国立新美術館

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写真はル・コルビュジエ設計、国立西洋美術館。行灯(あんどん)みたいなガラスの直方体が上から貫入してトップサイドライトになっているのだが、ここに間接照明も組み込まれ、また行灯の下は天井高がぐっと抑えられて回廊のようになっている。この行灯、割とごっついスチールフレームで可動式。引き違いと倒し。どう使うんだろうか。


あと、円柱の頂部に頭貫(かしらぬき)状に梁を落とし込んだようなコンクリートの柱・梁の表現が気になった。たぶんどこかで誰かが論じているのだろうが、これ、コルビュジエじゃなくて坂倉あたりがデザインしたのだろう。ゼネコンの施工精度がコルビュジエを日本化してしまっているというのも確かにそのとおりだが、それとおそらくはすでに連関してしまってもいる建築家の手が厳然とあるというのは根深い問題には違いない。



丹下健三の東京カテドラルは内部空間に圧倒される。荒々しくも金属のように鈍く光るHPシェル曲面のコンクリート。8枚の板は端部では垂直に立ち、互いに独立していてガラスのスリットを入れるだけだが、交差部に向かってぐうんと傾いていく。その頂点にあるX字型の梁状のジョイントだけが傾いた板を互いにつないでいる。緊迫感がある。あと、吸音のためのの小さな穴(なかにツボみたいなのが埋め込まれているらしい)がいっぱい見えたが、これは板の端部(垂直のスリット付近と、上部のスリット付近)に集中している。たぶん堂内中央で発せられた音が板に沿って廻り込んでいったところで吸音しようということかもしれない。


新美では入口で解散になったので僕はモディリアーニ展をじっくり見る。卵型の顔、エンタシスみたいな中膨れ円柱型の首は彫塑的なフォルムの量感が強いけれど、そこに鼻・首・手などがつくる蛇行する連続的な曲線が重なって動きをつくり、また目と鼻のあたりには分析的キュビズムの特色も入り込んでいる。