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台湾映画「海角七号」をみた。

シネスイッチ銀座にて妻と台湾映画「海角七号:君想う、国境の南」(監督脚本=魏徳聖 WEI Te-Sheng)をみた。あちらでは2008年に公開されて台湾映画史上最大のヒット作となったのだが、ようやく2009年末に日本でも公開となった。シネスイッチ銀座では間もな…

プレゼンチスト村野藤吾/郡司ペギオ幸夫の時間論/建築雑誌2010年2月号

私は厳然なるプレゼンチストである。(村野藤吾「様式の上にあれ」『村野藤吾著作選・様式の上にあれ』鹿島出版会 p.15) 実は presentist を主な英英辞典で引いてもヒットしないから、これは村野の造語と考えられることをまず確認しよう(現在主義者の意)…

fractal cauliflower

すげーのがわが家の台所に。 名前は Romanesco broccoli 。ローマ地方がもとの産地だから、ということらしい。ロマネスク・・・というとどうしても中世の修道院を思い出してしまうが、この幾何学の宇宙はルネサンス的でありましょうか。スカモツィの都市か、…

始発電車トリップ

このあいだ、卒業設計公開講評会の流れでいくつかの研究室の学生たちとT先生と朝まで飲んで、某駅から始発で帰った。僕は「下り」の電車に乗っていた。気がつくとT駅だった。自宅最寄りのH駅から2駅も過ぎていた。眠り込んでしまったらしい。当然「下り…

卒業設計公開講評会おわる。

1月31日(日)に、駿河台キャンパスのアカデミーコモンで2009年度の卒業設計公開講評会が行われました。対象は専任教員が学内選考で選出した優秀9作品。ゲスト・クリティークは野沢正光氏と寺田尚樹氏。かなり厳しい批評をしてくださいました。結果的には、…

「自然」という問題:生成的都市と不可侵の自然。

ちょっと前、某建築誌の、これからの10年を占う、みたいなアンケート記事を学生たちが研究室で読んでいたのでちょっと横に座って錚々たる人々の予言?をフムフムと聞いていたら、藤森照信先生は過去10年間で提起されたいくつかの問題が深められるのが今後の1…

続・クロノグラフィア

前に「時の記録術」というのを考えて、それをクロノグラフィアと勝手に名付ける、などと書いたのだが(→この記事とこの記事とこの記事)、ちょっとググったら、ビザンツ帝国最盛期のミカエル・プセロス Michael Psellos という人が同時代の詳しい歴史書を書…

フットサル初挑戦は・・・。

惨敗でありました。 研究室9名+強力助っ人1名で即席チームをつくり(本当に今日できたチーム)、新百合ヶ丘のフットサルクラブが主催する大会(いろいろランクがありまして、スーパービギナーズクラスにエントリーしました)に出たのですがね。 実は僕が布…

ミナレットとミサイルと・・・

スイスでミナレット(アラビア語で塔の意)の建設を禁ずるよう憲法改正を求めるイニシアティブ(発議・請求)が11月29日に国民投票で可決されたというニュースを、数日前にBS2のワールドニュースでみた。驚いた。ちょうど西洋建築史の授業でモスクについて喋…

高過庵での顛末

御父上はそこに這い込むやいなや、おもむろに窓をぜんぶ開け放ってくださり、すると室内の小宇宙が、美しい峻峰に取り巻かれた諏訪の盆地というもうひとつの宇宙へと見事につながっていくのでありましたが・・・旋風のためか突然ばたんっぴしゃりっと閉まっ…

売り家・小屋掛け

村野藤吾は五十を過ぎて自宅を建てようと思い、終戦直後に大和や河内の田舎の家を見て回り、どこかの村の名家の隠居家を買ってそれを改造して住んだ。「売り家」と言って、当時は田舎の家を買うのが流行していたという。家を買わなければ家を建てられなかっ…

日本の家は、素晴らしい家具に似ている。

昨年「家具道具室内史学会」という学会が設立されていて、この方面にも少なからず関心を寄せる身として遅ればせながらその会誌創刊号(2009年5月刊)を読んだ。家具や室内はこれまで建築史も民族学も考古学もうまく扱えずに来ている、新しい問題領域になりう…

chrono-graphy(時誌, 時の記録術)についてちょっと追加

前回のエントリーで、なんで時誌(時の記録術)= chrono-graphy という言葉はないのかと素人まるだしで考えてしまったのだが、ふと気づいたことをひとつ。topo-graphy は場所の不均質性に由来する。見知らぬ場所の固有の特徴は旅して記録しなければならない…

地誌はあるが「時誌」という言葉はないらしい。

鈴木博之+東京大学建築学科編『近代建築論講義』(東京大学出版会、2009)を読んだ。鈴木自身の短い論考がどれも冴えていると思った(他の論考より明らかに射程が広い)。以下は本書への直接の感想ではないので恐縮なのだが、ああ面白いなと思ったのは、鈴…

所用で武蔵野美術大学に行ってきた。

昨日、所用があり武蔵野美術大学鷹の台キャンパスに松葉一清先生を訪ねた。用件が終わった後、松葉先生にキャンパスをざっと案内していただいた。芦原義信先生のマスタープランにより1961年に開設されたキャンパス。 たぶん一番知られているのはアトリエ棟(…

Shibuya-style ‘scramble’ crossing came to London.

渋谷スタイルの「スクランブル」交差点がロンドンにお目見え。オクスフォード・サーカスに昨日(11月2日月曜日)。ロンドン五輪がらみの都市整備の一環みたいで、市長が「英国の工学と、日本の改良と、そして伝統的良識の勝利」と、いかにもな演説をしたと報…

郊外は思ったよりぜんぜん濃密で不思議である。

授業を終えて家に帰ったら近所のお母さんたちと子供たちが集まっていて、こんばんわ、いらっしゃい、とか挨拶したら、パパさあ、男の子達お風呂に入れてくれない? とか言われて、あっ?ああ、とか言いながらあんまり知らない男の子たちと一緒に風呂に入った…

「表現」を超えた模型:澤田研究室の1/10模型制作プロジェクトをのぞく。

前にもこのブログでちらっと紹介したのだが、うちの研究室の斜向いにある構法計画・澤田研究室の4年生の皆さんが吉村順三設計「軽井沢の山荘」の模型をつくっている(年内完成予定)。縮尺は1/10。1/10というのは構法レベルで実際の建築の成り立ちをほぼ再…

掲示:講義を聞いてこのサイトを訪れる学生たちへ

ページ右の「categories」のうち、下記が明治大学での講義に関するもの。 classMAH :近代建築史(学部2年-) classWAH :西洋建築史(学部2年-) classUH :都市史特論(大学院) カテゴリーを選んでクリックすれば、該当する記事が表示されます。今のとこ…

もし私が犬ならばここに小便できる。

よほど困っているのであろう、立ち小便に。しかしこのウィット、台湾人だなあ。離島調査は8月10〜18日で後ろ髪引かれつつも終了。結局、台風で期間短縮を余儀なくされ、また媽祖は飛行機が飛ぶかどうかがその日になってみなければ分からないというのでキャン…

台湾、歴史的な災害。

日本でも連日報道されていると思うが、台湾中南部が台風および続く西南季節風による大豪雨にみまわれている。3日間ほどで2000〜2700mm、平均年間降雨量を超える見込み。いまだ全貌は明らかでないが、多くの人命も失われている。歴史的な災害になると言われ…

類似製品にも苛烈な生存競争が・・・。

お見事。サイズはひとまわりコンパクトにしてあるけど、OSから何から完璧なコピーで、safariなどのアプリケーションもきちんと入っている。今日は某不動産会社に勤める某氏と色々な話をして台北と東京の都市としての性格等々についても考えさせられる面白い…

台湾到着。富士山も見えて幸先いいんじゃない。

写真は富士山ですが、昨日台北に着きました(紅い日の丸とフジヤマの取り合わせになっているが深読みしないよう注意)。 しかしまあ暑い。サウナみたい。毎回そうだけど慣れるまで2〜3日はこのうだるような感じが続く、僕の場合。とくに台北は湿度が高い。南…

Flickrの写真が生き返ってウレシイ。

最近、撮った写真はすべてFlickrにアップする習慣にしているのだが、アップされた写真が何だか冴えない。すべてではないが色がすーっと抜けてしまったような写真が多いのだ。僕はわりと色がこってりのった写真が好きなので、見れば見るほど気分が萎える。そ…

最近、身近なところで注目していること。

・斜向いの研究室(構法計画の澤田誠二先生の研究室)で、4年生の学生さんたちが縮尺1/10でつくっている軽井沢の山荘(もちろん吉村順三設計)。なんと、木拾い、製材発注といったところから社会に接続するかたちでやっている。間柱とか垂木とかになると1/10…

アヒルのその後。

R・ヴェンチューリ+D・スコット・ブラウン+S・アイゼナワー著/石井和紘+伊藤公文訳『ラスベガス』鹿島出版会、1978年(原著:Robert Venturi + Denise Scott Brown + Steven Izenour, "Learning from Las Vegas", MIT Press, 1972年刊)の最重要キーワ…

ヒョウタンツギ

と言うんです、これ。手塚治虫の例の。 写真は代官山駅近くで。最近、小学生の頃に読んだ『ブッダ』『火の鳥』を息子が学校の図書館で借りて読んでるとかいうので懐かしくなってとりあえずブッダの文庫版12巻セットをポチッと衝動買いして一気に読んだ。きわ…

いろいろ

先週金曜日、青山の岡本太郎記念館に行ってきた。2年生の最初の設計課題の敷地にすることとなったため(住宅の設計)。受付のおねえさんに明治の建築学科の学生さんがたくさんお見えになってますよ、ありがとうございますと御礼を言われ恐縮。いやこちらこそ…

鈴木成文先生よりハガキが届く。

お宅を有形登録文化財とする手続きをいよいよ実際に進められる由。僕のブログ中に、2月22日に先生宅の餅つきにお邪魔させていただいた折、帰り際に撮った写真があるのだが、たまたまそれを先生がご覧になって、利用状況の例を示す写真として申請に使いたいと…

いろいろ。

4月9日(木)〜15日(水)、台湾に行ってきます。前回2006年暮れに京都でやった「東アジア建築文化国際会議」を今度は台南でやるのです。陣内秀信先生・伊藤毅先生とともに顧問委員などという肩書きももらっていますのできちんと外交してきます。自分の発表…